最速159キロも…3度の戦力外 31歳育成が掴んだ新天地「野球ができるチャンス」

阪神、オリックスで活躍した小野泰己は「YBSホールディングス硬式野球部」へ
新天地でも全力で腕を振る。阪神、オリックスで活躍した小野泰己投手は、今季から社会人・YBSホールディングス硬式野球部のユニホームを着る。「声を掛けていただいて、野球ができるチャンスを頂けた。社会人野球を経験したことがなかったので。1発勝負の怖さもあり、面白さもあるのかなと思っています」。真っすぐな視線で、新しく飛び込む世界へ胸を躍らせた。
小野は2016年にドラフト2位指名を受け、阪神に入団。プロ1年目から先発として活躍し、15試合に登板。2勝7敗、防御率4.35の成績を残した。プロ2年目には先発ローテーションに定着。23試合の先発登板を任され、7勝7敗で防御率は4.77だった。2019年途中から救援に転向。14試合に登板して5ホールドを記録したが、2020年は1軍登板機会がなかった。2021年に12試合、2022年は5試合登板にとどまると、オフに戦力外通告を受けた。
2023年は育成契約でオリックスに入団。シーズン途中で支配下選手登録されるも、オフに再び育成契約に。2024年、2025年も再びの支配下選手登録を目指して奮闘したが、叶わなかった。2025年に自身3度目となる戦力外通告を受けると「やっぱりか……という気持ちが率直でしたね。すぐに『次に野球ができる場所を探そう』と。そこだけを考えて動いていました。(所属先が決まり)できる限りのことはできたかなと思いますね」と胸中を明かした。
12球団合同トライアウト、くふうハヤテのトライアウトなどを受験。その後に「YBSホールディングス硬式野球部」への入団を決めた。「決め手は……。家族もいて、自分だけじゃないので。安心じゃないですけど、そういう気持ちにさせることもそろそろ考えないと、と思ってです」。いつも支えてくれる家族に、恩返しをする。
プロ入り前の最速は152キロだったが、昨季中に自己最速の159キロを計測。今年5月で32歳を迎えるが「年齢を重ねたから動けないという考えは全くないですね。まだ伸びるな、という感覚はあります。年数を重ねたから練習量を落とすということも考えていません。走る量も投げる量も変えたくないですね」と力を込める。
新天地での目標は、明確にある。「まずは都市対抗出場への力になれればいいなと。体験したことのないゾーン(社会人野球)なので、肌で感じられたらなと思います」。円熟味を増した右腕が、新たな扉を開く。
(真柴健 / Ken Mashiba)