侍Jで覚醒か…公式0発の“お助け侍”が豪快弾 専門家が称えた広島23歳「力みが消えた」

2回にソロを放った侍ジャパン・佐々木泰【写真:加治屋友輝】
2回にソロを放った侍ジャパン・佐々木泰【写真:加治屋友輝】

新井宏昌氏、侍サポートメンバーの佐々木泰の打撃を解説

 23歳の若武者が、侍で確かな成長を示した。野球日本代表「侍ジャパン」のサポートメンバーである佐々木泰内野手が27日、バンテリンドームで行われた中日との強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2026 名古屋」に「9番・一塁」で出場。左翼席に豪快な一発を放つなど2安打し、5-3の勝利に貢献した。

 2回2死。中日・柳のスライダーを捉えた打球は、あっという間に左翼席に届いた。昨季、1軍で0本塁打だった右のスラッガーが、記念すべき侍1号。現役時代に通算2038安打をマークした野球評論家・新井宏昌氏は「力みのない、いいスイングを見せてくれました」と絶賛した。

「この日初めて見るスライダーを、ものの見事に思い切りよく捉えた。2年目になって、いい意味で力が抜けてきている。思い切りよく振っている中で、力が入りすぎていた昨年とは違って、力みのないスイングでした」

 青学大から2024年ドラフト1位で広島に入団。新人だった昨年は、オープン戦中に左太もも裏を肉離れして出遅れた。5月に1軍昇格してプロ初出場も、肋骨骨折で再び離脱。8月に1軍復帰すると、シーズン終盤には4番に抜擢されるなど、54試合に出場して打率.271をマークした。

 侍ジャパンには昨秋の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本 vs 韓国」にも選出されて躍動。2試合に出場して8打数3安打4打点と活躍した。

 新井氏は昨年の試合もシーズン中から複数チェック。「思い切りのいいスイングをするなと思っていました」という一方で「単に思い切りがいいのか、もしかしたら少し力みながら振っているのかとも感じていたんです」と振り返る。「積極的にスイングはしていたんですけど、そこまでコンタクトよく捉え切れてはいませんでした」と当時を思い起こした。

「実績を重ねていくような選手になっていく」

 それがこの試合では、近藤と対戦した5回1死で迎えた第2打席は痛烈な三ゴロ。左前へ抜けてもおかしくない打球で「いい当たりでした」と内容を評価する。松木平と対峙した7回1死一塁ではカウント1-2と追い込まれながら右前打。「外の球を逆らわずに一、二塁間に打ちました。強振するばかりではなく、軽く振って打ち返しましたね」と状況に応じた打撃を称えた。

 プロ1号よりも先に飛び出した侍1号。正規メンバーを上回る強烈なインパクトを残した。「去年いい経験をしたという感じが伝わってきましたね。今季は広島の主力選手として、いいものを見せてくれるのではないかと感じました」。身長178センチは、プロ野球選手としてはそこまで大きくないが、長距離砲の雰囲気が漂う。

「体はそこまで大きくないんですけど、足も上げて体を大きく使っています。去年は少し無理をして、大きなものを打ちたい思いが強すぎるスイングだと思った。1年間経験して力みが消えたのか、いい打撃を見せてくれましたね」

 侍での経験も大きな自信になるのは間違いない。「阪神の森下選手のように、ルーキーの年から活躍してどんどん実力をつけていって、実績を重ねていくような選手になっていくと思います」。2年目のジンクスなんて関係ない。広島の23歳の逸材は、さらなる飛躍を予感させる、確実な進化を示している。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

RECOMMEND