伝統の赤い稲妻復権へ…日本球界で進化したキューバ代表の現在地 NPB助っ人が救う“未来”

キューバ代表に選出されたリバン・モイネロ(左)とアリエル・マルティネス【写真提供:パ・リーグ インサイト】
キューバ代表に選出されたリバン・モイネロ(左)とアリエル・マルティネス【写真提供:パ・リーグ インサイト】

NPBで実績を築いた投打の主軸

 第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が5日から開幕する。本戦に進んだ20か国の中でも、日本にとってキューバは特別な存在である。2006年の第1回大会決勝で対峙してから20年。伝統と誇りを背負い、日本球界で成長を遂げた選手たちが今大会の中心を担う。

 日本とキューバは長年、野球を通じて交流を重ねてきた。1991年から6年間にわたり国際試合で151連勝を記録したキューバの快進撃を止めたのは日本であった。その後も社会人野球やWBC、NPBの舞台で相互に影響を与え合ってきた歴史がある。かつて「赤い稲妻」と称された強豪は、日本球界にとっても高め合う存在であり続けてきた。

 投手陣の軸はリバン・モイネロ投手(ソフトバンク)である。2024年、2025年と2年連続で最優秀防御率を獲得。2025年は24試合で12勝3敗、防御率1.46、WHIP0.92と圧倒的な数字を残した。150キロ超の速球と高い奪三振能力を誇る左腕は、プールAが開催されるプエルトリコで母国の先発陣を支える。

 抑えの柱はライデル・マルティネス投手だ。2025年から巨人で守護神を務め、開幕から31試合連続無失点を記録。58試合で46セーブ、3ホールド、防御率1.11、WHIP0.76と球団新記録を打ち立てた。代表でも最終回を託される存在である。

 さらに、かつて中日で最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、現在はブルージェイズ傘下で先発・救援としてプレーするジャリエル・ロドリゲス投手が控える。フランク・アルバレス投手、ヨハン・ロペス投手、ランディ・マルティネス投手らNPB経験者も名を連ね、国内リーグ勢と融合した厚みのある陣容を形成している。

融合する経験値と再び頂点を狙う野手陣

 野手陣も多彩である。ヨアン・モンカダ内野手はホワイトソックスなどで実績を積み、昨季はエンゼルスでプレーしたスイッチヒッター。長打力と堅実な守備を兼ね備え、打線の中軸を担う存在だ。MLB経験者の合流は攻撃陣の厚みを一段と高める。

 日本ハムのアリエル・マルティネス捕手も重要な戦力だ。中日育成からNPBで地位を築き、勝負強い打撃と献身的な姿勢で存在感を示してきた。日本で培った経験は代表に新たな化学反応をもたらす。

 アルフレド・デスパイネ外野手は2009年大会から出場し、WBC歴代最多本塁打を誇る。先日開催された「2026セリエ・デ・ラス・アメリカス」でも本塁打を放ち、39歳となった今も長打力は健在である。指名打者や代打として勝負どころを任される精神的支柱だ。

 ロエル・サントス外野手も機動力で流れを引き寄せる。ロッテ在籍時にはスピードと「走り打ち」で注目を浴びた。多様な経験を持つ野手がかみ合えば、攻撃力は一気に爆発する。

 今大会、キューバはプエルトリコ、カナダ、パナマ、コロンビアと同組のプールAから戦う。勝ち上がれば、侍ジャパンとの再戦の可能性がある。両国が準決勝以降へ進出した場合、舞台はマイアミに移る。多くのキューバ出身者が暮らす地で受ける声援は大きな後押しとなる。

 日本球界で進化した戦力を中心に、再び世界の頂点を狙うキューバ代表。20年の時を経て実現するかもしれない日キューバ再戦。その行方が大会の大きな焦点となる。

(「パ・リーグ インサイト」竹林慎太朗)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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