侍ジャパン連覇へ拭えぬ“2つの不安要素”…未確定が「少し怖い」、役割変更で「テンパる選手は出てくる」

第1回大会で投手コーチを務めた武田一浩氏が占う連覇へのカギ
打倒・侍ジャパンに各国が本気を出してきた。3月5日に開幕する第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。井端弘和監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」は2023年大会に続く連覇を目指す。一方で、今大会は米国がアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)を筆頭に最強布陣を結成。ドミニカ共和国、ベネズエラら中南米の強豪も侮れない。
錚々たるメンツが出場する今大会。侍ジャパンが連覇を成し遂げるには何が必要なのか――。初代王者に輝いた2006年の第1回大会で投手コーチを務めた武田一浩氏がカギとして挙げたのは、レギュラーの固定と“第2先発”の起用法だった。
「勝つときはレギュラーがはっきりしているんだよね。大体このポジションは誰で、このポジションは誰みたいな。ただ、今回はショートとレフトとセンターが正直わからないよね」

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前回大会の決勝ラウンド3試合では、7ポジションが固定されていた。入れ替えたのは牧秀悟内野手(DeNA)と山田哲人内野手(ヤクルト)が守った二塁と、甲斐拓也捕手(当時ソフトバンク)と中村悠平捕手(ヤクルト)が併用で使われていた捕手のみだった。打線も1番にラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)、2番に近藤健介外野手(ソフトバンク)、3番に大谷と上位が固定されていた。
国際大会では不慣れな環境に加え、初対戦の相手も多い。さらに負けたら終わりの短期決戦。ミスを減らすには、レギュラーを固定し、選手が慣れた場所でプレーすることが大事になる。一方で、今大会は中堅の“本職”と言えるのは周東佑京外野手(ソフトバンク)のみ。そこに不安要素があるという。
「誰を使うんだろうとは思うけどね。そこは井端監督の腕の見せどころなんだろうけど。でもセンターは困るね。外野は佐藤(輝明)も岡本(和真)もできるから調子のいい人を使っていくんだろうけど、ただ決まっていないっていうのが少し怖いよね」
球数制限で重要な第2先発「一番肝になると思う」
また、投手陣も国際大会ならではの起用法が求められる。1次ラウンドの球数制限は65球。先発が長いイニングを投げることは難しく、“第2先発”の役割も重要になってくる。前回大会では伊藤大海投手(日本ハム)、宮城大弥投手(オリックス)らがその役割を担った。
武田氏は現役時代、1991年に日本ハムで最優秀救援投手を獲得し、1998年にはダイエーで最多勝に輝いた。救援としても先発としても活躍したからこそ、難しさを理解する。ましてや今大会はMLB使用球に加え、ピッチクロックも導入。調整に失敗する選手が出てきてもおかしくない。
「2番手で投げる選手が一番肝になると思う。普段先発しか投げていない中でいつ投げるかわからないリリーフは難しい。テンパってしまう選手が出てくる。あとは3月なのでやっぱり調整が上がらない選手がどうしても出てくる。そこの見極めが大事になってくる」
第1回大会でも苦い記憶…「マウンドに向かう目が泳いでいた」
実際に2006年の第1回大会でもそのようなケースはあった。第2ラウンドの米国戦。当時先発として活躍していた清水直行投手(ロッテ)を2点リードの6回からリリーフ起用したが、1死から四球を与え、続くデレク・リー内野手に同点被弾を喫した。
「ブルペンにいる時から緊張していて、マウンドに向かう目が泳いでいた。『初球から(勝負に)いくなよ、様子を見ていけよ』と言ったんだけど、初球を思い切り打たれてね。それがブルペンに飛んできたから腹がたっちゃって(笑)。でも、そういうこともあるので。選ばれている選手はみんな本当に一流。でも、国際大会の負けちゃいけない試合でっていうのは、しびれるんだろうなと思う」
侍ジャパンが米国と対戦するなら決勝の舞台。ただ、それまでの道のりも侮れないと武田氏は話す。
「ドミニカ(共和国)は打線で言えば、下手したらアメリカより強いかもしれない。ましてや、南米はウィンターリーグもあって一年中、野球をしているからね。ある意味、仕上がりは一番いいかもしれない。そういう面で考えるとアメリカ云々とかじゃないと思う」
井端ジャパンの“開幕戦”は3月6日のチャイニーズ・タイペイ戦(東京ドーム)。「そのオーダーが井端ジャパンのスタメンだろうから」と武田氏。世界一連覇に向け、指揮官はどのような決断をするのか――。采配が大きなカギを握る。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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