苦悩の2日間…「お茶点てパフォ」の発案の北山 “仕掛け人”大谷翔平への願い

大阪での強化試合で注目を集めたセレブレーション
先輩の愛あるイジリのおかげで、チームの雰囲気がますます良くなっている。日本代表「侍ジャパン」は強化試合を終え、いよいよWBC本戦に臨む。大阪での強化試合で一躍注目を集めたのは、北山亘基投手が考案した「茶道ポーズ」。日本ハムの先輩でもある大谷翔平投手からの無茶ぶりで、「苦悩の2日間」を過ごすハメになった。
メジャーリーガーの出場が解禁となった2日のゲーム。5階席の記者席から円陣の様子を見ていると、中央に出てきたのは北山だった。何やら茶道のように茶碗を回し、両手で飲むような仕草を披露。大阪での2試合で話題となった「茶道ポーズ」をレクチャーしていたのだった。
きっと塁上で選手がやるはずだ――。と試合を見ていたが、試合は5回1死まで無安打。なかなかお披露目の機会がやってこない。吉田正尚外野手がチーム初安打となる本塁打を放ったが、三塁ベース付近では忘れていたようで披露せず、ホームイン後に慌てて披露。三塁ベンチの鈴木は吉田を見ながら必死に茶碗を回していたが、“不発”に両手を広げて不満そうだった。
試合後、登板もなかった北山に声をかけ、なぜあのポーズが生まれたのかを聞いた。京セラドームで練習のあった1日、大先輩から無茶ぶりを受けた。
「大谷さんに『明日、お前セレブレーション決めて発表しろ』って言われて、1日寝れないくらい考えて……」
きっかけは大谷からの指令だった。「世界で戦うので、日本の伝統文化がいいかなっていうので。僕、京都出身なんで、抹茶とか有名じゃないですか。大谷さんも、某お茶メーカーのCMもされてたので。これは正しいお茶の飲み方をしたら面白いかなと」と理由を説明した。

大阪で叶わなかった“願い”「ちょっとやってもらわないと」
しかし、チームは惜しくも敗戦。パフォーマンスが浸透せず、大谷からは「やっぱダメだな」とダメ出し。鈴木も試合後「変えるでしょうね。ちょっと不評だったので」と話していた。
北山は「『今晩ももう1回考えてこい』と言われたんですけど、『さすがにしんどいです』と。明日どうなるかわからないですけど」と苦笑いし、バスに乗り込んだ。
“教授”は頭を凝らしていた。「もうめちゃくちゃ僕、調べまくってたんで」。3日の食事前には大谷から「ちょっとこっち来い」と呼ばれ、新たなパフォーマンスについて相談。試合前の円陣ではマイナーチェンジした「お茶点てポーズ」をレクチャーした。
「漢字で書けば、点てる(たてる)は点数の点なので。ダイヤモンドをかき回して、お茶を点てて、点数を取っていきましょう」と宣言。初回に先制ソロを放った鈴木はベンチに向かってノリノリでパフォーマンスし、北山は「役割は全うできました。今日は爆睡できますね」と胸をなでおろした。
しかし、北山が2日に語った願いがまだ叶ってない。無茶ぶりした“張本人”の大谷は2試合で出塁ゼロに終わった。
「話し始めの本人がやるのを、僕は楽しみにしている。そこまではちょっとやってもらわないと」
6日に迎えるWBC初戦。北山の円陣をにこやかに見つめていた先輩なら、きっと披露してくれるはずだ。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)