WBCで侍ジャパンが「最強」だと断言する“3つの理由” 米国もドミニカも「スモールベースボールはできない」|専門家の眼

試合後にナインを笑顔で迎える大谷翔平(中央)【写真:小林靖】試合後にナインを笑顔で迎える大谷翔平(中央)【写真:小林靖】

志田宗大氏、WBCに出場する各国の戦力を比較

 超豪華メンバーがそろう米国やドミニカ共和国よりも、侍ジャパンの方が「強い」と断言できる理由がある。第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド、プールCが5日に開幕。野球日本代表「侍ジャパン」は6日に東京ドームで初戦のチャイニーズ・タイペイ戦を迎える。2017年のWBCなどで侍ジャパンのスコアラーを務めた志田宗大氏が、2度目の連覇を狙う侍ジャパンのライバル国について言及した。

「難敵はいっぱいいます。勝ち上がっていけばいくほど厳しい戦いになる。簡単な相手はいません」

 現役時代にヤクルトで活躍した志田氏は引退後、ヤクルト、巨人でスコアラーを歴任。昨年は中日でゲーム戦略アナリスト兼コーディネーターを務め、現在はスポーツのデータ分析などを行うライブリッツ株式会社に在籍している。今大会の侍ジャパンは、大谷翔平投手らメジャーリーガー8選手を含めた強力なメンバー。1次ラウンドのプールCは順当に突破すると見ている。

 準々決勝からは米国で試合を行う。「日本にとって、そこからが本当の勝負どころ。米国で3試合続けて勝つのは至難の業です」。準々決勝はプールDを勝ち上がった国と激突する。「恐らくドミニカ共和国が1位で通過する可能性が高いでしょう。プールDでは力が抜けています。日本が1位通過したら、2位で通過してくる別の国との対戦になる」と予想した。

メッツのフアン・ソトはドミニカ共和国代表の主砲を担う【写真:ロイター】【写真:ロイター】メッツのフアン・ソトはドミニカ共和国代表の主砲を担う【写真:ロイター】

 プールDはドミニカ共和国以外にベネズエラ、オランダ、イスラエル、ニカラグアで構成。2009年大会ベスト4のベネズエラ、2013年&2017年に2大会連続でベスト4入りしたオランダなど、侮れない国ばかり。「ドミニカ共和国ほど派手ではなくても、簡単に勝てる相手はいません」と分析した。準々決勝を突破しても米国やドミニカ共和国が待ち構えている可能性が高く、連覇への道は険しいものとなる。

 今大会の米国は、投手ではポール・スキーンズ、タリク・スクーバルの昨年のサイ・ヤング賞コンビを含めて充実のメンバーが並ぶ。野手も主将のアーロン・ジャッジ外野手やカル・ローリー捕手ら超豪華布陣が話題だ。ドミニカ共和国もブラディミール・ゲレーロJr.内野手、フアン・ソト外野手、フェルナンド・タティスJr.外野手らで重量打線を組む。

 各国とも、そうそうたるメンバーが集結した今大会。果たしてどの国が勝ち抜くのか――。

「私は一番強いのは日本だと見ています」

米国もドミニカも「そこまで手が付けられない選手の集まりではない」

 志田氏は自信を持って、そう言い切った。米国やドミニカ共和国について「データを調べれば、そこまで手が付けられない選手の集まりではないように感じます。しっかり見ていけば、攻略法は見つかると思います」と指摘。その上で「何度戦っても勝てないという相手じゃない」と力を込めた。

米国代表のアーロン・ジャッジ【写真:ロイター】米国代表のアーロン・ジャッジ【写真:ロイター】

 その理由の1つが野球スタイルだ。「米国、ドミニカ共和国はスモールベースボールはできません。来た球を豪快に打っていく。そこに対して必ず穴はあります」。それに対して侍ジャパンは、きめ細かい野球も持ち味で「日本は細かい野球を小さい頃から教育されていて、できています」と説明した。

「それに加えて近年の日本選手はパワーも備わってきている。世界でも引けを取らない選手が何人も出てきています。パワーとスモールのハイブリッドな攻撃ができるのは、世界でも日本だけです」

3月開催は日本に利「海外の選手は調整の要素が強いのが現実」

 攻撃面だけではない。「ディフェンスに関しても、チームの守備力が一番高いのは日本です」と評する。投手力については、この時期の開催だからこそ日本に利があるという。「海外の選手は『調整ではない』と言いつつ、調整段階であるのは否めない。調整の要素が強いのが現実です」。

 メジャーで戦う選手たちが、春先にピークを持ってくることはない。球数制限もあり「スクーバル投手も言っていましたけど『完璧じゃない』『この時期は何イニングも投げられる状態じゃない』というのは、どのチームにも当てはまります。そういう意味では、日本の投手の方が仕上がりという点で見れば上だと感じます」と強調した。

 もちろん、米国やドミニカ共和国の選手の力は高く評価しており「シーズンの中盤や終盤のコンディションの米国代表、ドミニカ共和国代表だったら本当に強いと思います」という。ただ、まだシーズンの開幕前であり「例年、春先に飛び抜けた成績を残す選手は多くない。多くの選手は慣らしながらシーズンに入っていく。そういうコンディションは簡単には変わらない」と調整の難しさを指摘した。

 大技小技の攻撃、鉄壁の守備、投手陣の仕上がりの早さ。ライバル国のメンバーは強力でも「この時期だと、私は日本の方がパフォーマンス的には上だと思います」と繰り返した。他国にはない総合力の高さ。過去5大会で3度の世界一の実績が、それを物語る。険しくても、侍ジャパンに2度目の連覇の道は見えている。

RECOMMEND