大谷翔平の後ろを打つ適任は? 近藤健介は問題なしも…専門家が提言した“プランB”

5打点と大活躍した侍ジャパン・大谷翔平【写真:ロイター】
5打点と大活躍した侍ジャパン・大谷翔平【写真:ロイター】

新井宏昌氏が解説…大谷が「勢いづけてくれた」

 野球日本代表「侍ジャパン」は6日、東京ドームでの「2026 ワールドベースボールクラシック 東京プール presented by ディップ」初戦のチャイニーズ・タイペイ戦に13-0の7回コールドで大勝した。大谷翔平投手(ドジャース)が先制満塁本塁打を含む3安打5打点と大活躍。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLB中継の解説などを務める野球評論家・新井宏昌氏は、そんな大谷の“凄み”を改めて分析するとともに、今後に向けて侍打線への“提言”を行った。

 いきなり「1番・指名打者」大谷の存在感が際立った。初回は初球の148キロストレートを捉えて右翼線二塁打を放って、チームを活気づかせ、2回1死満塁で回ってきた第2打席では外角カーブに泳がされながらも右翼席へ運んだ。そこから侍打線に火がついてこの回、10点。3回にも3番・鈴木誠也外野手(カブス)、4番・吉田正尚外野手(レッドソックス)、5番・岡本和真内野手(ブルージェイズ)の3連打と8番・源田壮亮内野手(西武)の適時打で3点を追加し、一方的な試合展開になった。

「日本でもっとも活躍してほしい人が勢いづけてくれたし、試合を決定づける満塁ホームランも打ってくれたし、侍ジャパンとしては最高の出だしになったんじゃないですか」と新井氏も大谷のバットにうなるばかりだ。「強化試合では時差ボケのような形で真っ直ぐにタイミングが遅れ、振り遅れの姿を見せていましたが、本番に入ったら、いきなり初球の真っ直ぐを会心の当たりでしたからね」と称えた。

「やはり練習試合と本番とでは大舞台を踏んでいる人は気持ちがしっかり変わるのかなと感じました。見たこともないピッチャーにちゃんとタイミングを合わせるのは難しいこと。それが第1打席の初球にできるのはさすがだなと。自分のことだけでなく、チームのことも考えながら、自分がしっかりやらなきゃってことを自覚したところでの打席だったんじゃないかと思います」と褒め言葉しか出て来なかった。

  初回は1死三塁で鈴木が三振に倒れるなどで無得点。2回も無死満塁から9番の若月健矢捕手(オリックス)が捕邪飛に倒れて、嫌なムードになりかけたところで大谷が本塁打。「初回は鈴木選手がちょっと気負いもあって三振。同じように若月選手も2ボールからボール球を振ってファウル、またボール球を振ってキャッチャーフライ。初回と同じような感じで大谷選手が内野の強いゴロでダブルプレーになったり、走者を還せなかったら今日の試合はどうなるかってところだった。そしたら満塁ホームラン。あれで一気に変わりましたから」

 その満塁弾にしても「泳ぎながら片手で、ですからね。普通の選手ならせいぜい犠飛なんですけど、それを本人は打った瞬間に確信していましたからね。まぁ。ああいう打ち方でホームランにしているのは何度も見ていますけどね。3打席目のタイムリーもバットの先。思い切りがいいのと、とにかく腕を伸ばして、できるだけ芯でとらえようとするところ……。そういう独特なバットコントロールってところですね」と続けた。

WBC初出場となった侍ジャパン・森下翔太【写真:Getty Images】
WBC初出場となった侍ジャパン・森下翔太【写真:Getty Images】

無安打の近藤は問題なしも…打順に言及「相手が左投手なら」

 大谷を1番に起用し、強化試合では4番だった村上宗隆内野手(ホワイトソックス)を6番、6番だった吉田を4番に入れ替えた井端弘和監督の采配についても「4番と6番を入れ替えたのはよかった。ヒットだったと思います。村上選手は打撃フォームを変えて間もないので、まだ確信めいたものをつかんでいない。井端監督もそういう姿を見てちょっと楽なところで打たせてあげようかなという配慮じゃないかと思います」と評価する。

 その上で新井氏は「村上選手はしっかりフォアボールをとったし、内野安打でしたけど、タイムリーも打った。その後のライトライナーもいい感じで打てていた。これからいい結果になっていくと思います」と予測。打線に関しては「吉田選手は勝負強いバッター。今日も5点目となるタイムリー二塁打を打ちましたしね。あれでチャイニーズ・タイペイは意気消沈したと思います」と言いつつ「4番を打ったことがあるバッターが何人も並んでいる。3、4、5、6と誰が4番になってもいい」とも付け加えた。

 この日は2番・近藤健介外野手(ソフトバンク)が5打数無安打と蚊帳の外。「彼は一番技術も気持ちの面でもしっかりしているバッターだけど、今日は気負いがあったと思います。ファーストゴロ3つはそれが表れています。インコースの難しいボールにまで手を出しているし、打ちたい気持ちが強かったんでしょうね。でもそういうところは修正できる選手なので(調子は)戻ってくると思います」と新井氏は見ているが、短期決戦はもしもの場合に備える必要もあるとの考えも示す。

「例えば、近藤選手が、力が入りすぎているなと感じたら、相手が左投手なら、森下(翔太)選手(阪神)を2番でもいい。右投手なら佐藤(輝明)選手を7番に入れて鈴木選手を2番にして、詰めていけばいい。2番に森下選手なら。3番吉田選手、4番鈴木選手、5番村上選手、6番岡本選手という感じでジグザクもできますからね。近藤選手は大丈夫だと思いますけど、監督の考えひとつで、他にもいける選手はいるチームだと思います」

“世界一のバッター”大谷がチームを引っ張り、いきなり強さを見せつけた侍ジャパンだが「左投手で球が速くて、変化球がいいピッチャーが相手なら、大谷選手といえども、大きな結果を出せない時もあると思います」と新井氏は言う。初戦大勝も、もちろん油断は禁物。WBC連覇に向けての戦いはまだ始まったばかりだ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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