武田一浩氏が驚き隠さず「メチャクチャ目につきます」
今までの侍ジャパンとは明らかにスタイルが違う。野球日本代表「侍ジャパン」は7日、東京ドームで行われた第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド、韓国戦に8-6で逆転勝利。2連勝で決勝トーナメント進出に大きく前進した。
初回に3点先制を許したが、直後に鈴木誠也外野手が右越え2ランを放つなどすぐさま反撃。3回に大谷翔平投手が同点ソロを放つと、鈴木が2打席連続アーチを左翼席に突き刺して勝ち越し。吉田正尚外野手も右翼席に豪快なアーチをかけた。
多少のビハインドには動じない一発攻勢。すさまじい破壊力に、侍ジャパンが初代王者となった2006年の第1回WBCで投手コーチを務めた武田一浩氏は驚きを隠さない。「メジャー組の打者の仕上がりが凄くいい。それがメチャクチャ目につきます」。
絶賛したのは初回の鈴木の2ランだ。
「この試合のポイントは鈴木誠也の1本目のホームランです。よく投手には言いますけど、味方打線が点を取った後に0点に抑えるのが大事なんです。流れが決まるので。それが、韓国はできなかった。逆に言えば、日本は3点取られた直後、無得点で終わっていたら危なかったです。韓国が優勢のまま5回ぐらいまでいっていたと思います」。ベンチの雰囲気を変え、チームを勢いづけた一振りだった。
「初回に日本が2点取った時に、ああ大丈夫だな、追いついて逆転するだろうなと思いました」。そう感じるほど、重要な一発だったが、そこから畳みかけた計4本塁打には「今までの侍ジャパンの野球とはイメージが全然違います。別のチームみたいに感じます」と感嘆の声を上げた。
超重量打線の米国やドミニカと比較しても「日本も劣らず素晴らしい」
盗塁や犠打などの小技を絡めたスモール・ベースボールで得点を重ね、投手力を中心に守り勝つのが以前の侍ジャパンのイメージ。武田氏は投手コーチを務めた2006年大会も振り返りながら「今まではしっかり守り勝っていかないといけないと思っていたけど、今大会はそれがない。今回は今までとは違うチーム。全く別のチームのような試合運びに見えます」と解説した。
野球評論家としてNHKのMLB中継などで解説を務めている武田氏は、今回のWBCで優勝候補の呼び声が高い米国やドミニカ共和国の1次ラウンドの戦いぶりも入念にチェックしている。その強豪国と比較しても「全く引けを取らない打撃を見せてくれています」と分析。「米国もドミニカ共和国も打線はいいけど、日本も劣らず素晴らしい」と続けた。
「もともと、日本の投手は技術がある。打撃は今までパワーで劣ると言われてきたけど、今はそうじゃないですね。日本の打者も凄い。ビックリしますよ。大谷がいるだけで、だいぶ違う。右方向にも左方向にも素晴らしい打球を打てる鈴木誠也がいるから打線に厚みがある。吉田もずっと調子がいい。これで岡本(和真内野手)と村上(宗隆内野手)が打てば、優勝できる可能性は十分ある。打線は水物といいますけど、打者は不安はないですね」
13得点したチャイニーズ・タイペイとの初戦に続き、充実一途の攻撃陣。史上初の2度目の連覇に向けて、スタイルを一新して突き進んでいく。