大谷翔平の“後ろをどうする問題” 近藤は12打数無安打…専門家が選んだ連覇のキーマン

昨季カブスで32本塁打・103打点、1次ラウンドでも好調
野球日本代表「侍ジャパン」は、大会連覇が懸かる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドC組を4戦全勝の1位で突破。日本時間15日に米マイアミで行われる準々決勝では、D組2位(日本時間12日のドミニカ共和国-ベネズエラ戦の敗者)と対戦する。侍ジャパンの打線の中で、連覇へのキーマンは誰かを探る。
打線で連覇への鍵を握っているのは誰か。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、引退後も名コーチとして鳴らした野球評論家・新井宏昌氏に聞くと、「キーマンですか……第一には、米国でも恐れられている大谷翔平(投手=ドジャース)でしょう。どこが相手でも、一番警戒されるのは間違いありません」との答えが返ってきた。
1次ラウンドでチャイニーズタイペイ、韓国、オーストラリア、チェコを撃破した侍ジャパンだが、準々決勝以降はMLBのオールスター級が顔をそろえるドミニカ共和国、ベネズエラ、米国などとの対戦が予想される。それでも大谷なら、MLBのスター軍団にもひけを取らないどころか、脅威を与えることができる。
ただし、「大谷が勝負してもらえず、四球で歩かされるケースが多くなるかもしれなません」とも指摘。となると、“大谷の後を打つ打者”も重要になる。
その重圧の影響だったのか、1次ラウンドでは開幕から2試合で、1番・大谷の後の2番を務めた近藤健介外野手(ソフトバンク)が計8打数無安打1四球の不振に陥った。3戦目のオーストラリア戦では、鈴木誠也外野手(カブス)と入れ替わり3番となったが、4打数無安打で計“12タコ”。4戦目のチェコ戦は欠場した。
「私はオーストラリア戦同様、2番は鈴木がいいと思います」と新井氏。確かに鈴木は、大谷に比べると騒がれないが、昨季カブスで32本塁打・103打点をマークし、MLBの投手にもにらみが利く存在だ。1次ラウンドでは3試合で打率.333(9打数3安打)、2本塁打5打点5四球と好調。「1次ラウンドで結果を残し充実していますし、3年前の前回WBCの際、メンバーに選ばれていたにも関わらず怪我で出場を辞退しただけに、今大会に懸ける強い気持ちが伺えます」と太鼓判を押す。
7番には佐藤輝明が好調も、「ここに近藤を置く手もある」
左の大谷の次を、右の鈴木が打てば、その後も豪華な“ジグザグ打線”を組める可能性が広がる。「大谷、鈴木、3番に吉田正尚(外野手=レッドソックス)、4番に岡本(和真内野手=ブルージェイズ)、5番・村上(宗隆内野手)、6番・牧(秀悟内野手=DeNA)。7番には、佐藤(輝明内野手=阪神)が好調ですし、井端(弘和)監督が近藤を信頼して引き続きスタメンで使いたいのであれば、ここに置く手もあります。8番に捕手、9番に源田(壮亮内野手=西武)となれば、ジグザグの面白い打線になると思います」と新井氏は見解を述べた。
1次ラウンド最後のチェコ戦では、それまで当たりが出ていなかった岡本、村上も浮上のきっかけをつかんだ。岡本が4回に放った左翼フェンス直撃の二塁打は、フェンスの最上部に当たったもので、もう一息でホームラン。6回の遊直も痛烈な当たりだった。一方、村上も8回2死満塁で迎えた最終打席で、グランドスラムを放った。
新井氏は「2人とも最後の試合で彼ららしい長打が出たので、マイアミではそこまでりきむことなく、リラックスして試合に臨めるのではないでしょうか」とうなすいた。
“上げ潮”の状態でMLBの投手たちとぶつかる侍ジャパン打線。中でも鍵を握るのは、大谷と“その後”を打つ男だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)