ベネズエラに敗れた経験…侍ジャパンの“生きた金言”に 元楽天AJが何度も繰り返した「命取り」

オランダ代表アンドリュー・ジョーンズ監督【撮影:佐藤直子】オランダ代表アンドリュー・ジョーンズ監督【撮影:佐藤直子】

1次ラウンド初戦でベネズエラと対戦「難敵であることは間違いない」

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝で、14日(日本時間15日)にベネズエラ戦を迎える野球日本代表「侍ジャパン」。メジャーを代表する一流選手が居並ぶ強豪国との対戦を前に、井端弘和監督は「上位打線がしっかりしている」「(先発スアレスは)右打者にはチェンジアップが多い」と印象を明かした。侍ジャパンが誇るスゴ腕スカウト陣が作成したレポートを元に必勝対策を立てる指揮官に、オランダ代表を率いた元楽天のアンドリュー・ジョーンズ監督から貴重なアドバイスが届いた。

 1次ラウンドはベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグアと同じプールDを戦ったオランダ。ベネズエラとドミニカ共和国の“2強”を脅かす第3の存在と目されていたが、最終戦でイスラエルに敗れる波乱となり、1勝3敗の4位で敗退した。

 それぞれ“史上最強チーム”を結成するベネズエラとドミニカ共和国と実際に刃を交えたジョーンズ監督は「どちらも投打にわたり最高のラインナップを揃えたタフなチーム」と脱帽する。それもそのはず。初戦で対戦したベネズエラには2-6で敗れ、3戦目で対戦したドミニカ共和国には1-12で悔しい7回コールド負けを喫した。

 ジョーンズ監督は「実際に対戦してみて、最高にタフだったのはドミニカ共和国。圧倒的な強さを持っている。ベネズエラより救援陣の層が厚く、スター選手が揃う打線はわずかなミスを見逃さない」と評価。他方、ベネズエラについては「なかなか簡単にアウトにならない、厄介な巧打者が多い。投手も98、99マイル(約157.7〜159.3キロ)は当たり前。難敵であることは間違いない」と分析する。

 では、日本がベネズエラに勝利するためには、一体何がカギとなるのだろうか。

オランダ戦の初回に二塁打を放ち、喜びを見せるベネズエラのロナルド・アクーニャJr【写真:ロイター】オランダ戦の初回に二塁打を放ち、喜びを見せるベネズエラのロナルド・アクーニャJr【写真:ロイター】

勝利への近道は「しっかり捕球し、プラン通りの投球をして、然るべき方法で得点をする」

 オランダ代表が敗れた経験を踏まえながら、ジョーンズ監督は「とにかくミスをしないこと。投打守のいずれも、わずかなミスが命取りになる」と警告する。

「一流のメジャーリーガーが揃うチームだ。彼らを相手にミスは許されない。日本のプロ野球のレベルの高さは知っているが、メジャーとは違う。メジャーの野球は相手が見せた綻びを徹底的に攻め立て、勝機を見いだしていくから。オランダ代表チームでも口を酸っぱくして言い続けたが、とにかくミスを犯さないこと。ただそれだけ。しっかり捕球し、プラン通りの投球をして、然るべき方法で得点をする。1つでも多くミスをした方が悔しい思いをすることになる」

 12歳以下の世界大会に出場するため1989年に初来日して以来の親日家で、現役時代は日米野球の全米メンバーとして日本代表との対戦を重ねた。2013年からは2シーズンにわたり楽天でプレー。日本野球のレベルが飛躍的に上がる様子を目撃してきた。

「対戦するたびにレベルが上がっていくのを感じていた。今では大谷(翔平)や山本(由伸)をはじめ、メジャーを代表するエリート選手が何人もいる。何よりも、日本における野球愛は計り知れない。日本でプレーした時間は今でも大切な宝物だ。だからこそ、これだけは伝えておきたい。ミスをしないこと。ベネズエラはミスを見逃す相手じゃない」

 ジョーンズ監督から届いた、とれたて鮮度抜群のスカウティング・レポート。「ミスのない」野球でベネズエラを撃破する。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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