三嶋一輝に「包みこんでもらいました」 難病との闘いも、出番減った晩年も…変わらぬ姿を見てきた山崎康晃の思い

DeNA・山崎康晃(左)、今年1月に現役引退を表明した三嶋一輝氏【写真:加治屋友輝、町田利衣】DeNA・山崎康晃(左)、今年1月に現役引退を表明した三嶋一輝氏【写真:加治屋友輝、町田利衣】

14日のDeNA-ソフトバンク戦後、三嶋一輝引退セレモニーが行われる

 昨季限りでDeNAを戦力外となり、今年1月に現役引退を表明した三嶋一輝氏の引退セレモニーが14日、横浜スタジアムでのDeNA-ソフトバンク戦で行われる。開幕投手も、中継ぎも、抑えも経験し、国指定難病「黄色靭帯骨化症」の手術もあった13年間の現役生活。長年苦楽をともにした山崎康晃投手の脳裏にこびりついているのは、穏やかな優しさと、どんなときも変わらず努力を続ける姿だった。

「三嶋さんの存在は僕の中ですごく大きくて、大好きな先輩です。温かみを感じる人間性、人に寄り添える優しい心を持っていて、仲間としてライバルとして、本当にいろいろな部分で包みこんでもらいました。三嶋さんがベイスターズの投手陣に残したものは本当に大きなものだなと思っています」

 時折寂しそうな表情を浮かべながら、山崎は三嶋への感謝の言葉を紡いだ。2014年ドラフト1位で入団していきなり抑えを任されたとき、三嶋は開幕ローテーションの一員。繋がれたバトンを必死に守り、幾つもの勝利を築き上げた。

 2018年からは同じ救援となり、ブルペンで過ごす時間も増えた。2020年に不振に陥ると、自身が空けた“席”には三嶋が座り、その後は守護神を巡るライバルにもなった。

 それでも、いつも心にあったのは“尊敬の念”だった。

 決して口数が多い方ではないが、その背中はいつも手本となり、内に秘めた闘志は伝わってきた。「いいときも悪いときもある、それは僕も経験してきました。もちろん人間ですから……。でも三嶋さんはいつも笑顔で挨拶をしてくれたり、ずっと変わらなかったんです」。2022年にお立ち台に上がった際には、国指定難病の手術で入院中だった三嶋にエールを送ったこともあった。

お立ち台で叫ぶDeNA・山崎康晃(2022年8月31日)【写真提供:産経新聞社】お立ち台で叫ぶDeNA・山崎康晃(2022年8月31日)【写真提供:産経新聞社】

 三嶋は近年は出番を減らし、多くの時間を2軍で過ごした。ベテランと呼ばれる年齢になっても、誰よりも早くグラウンドに来てランニングを始め、なかなか試合に呼ばれなくても走り込みは欠かさなかった。登板後に納得がいかなければブルペンで投げ続けた。

 当然、それを見た後輩たちも心を動かされた。山崎は「三嶋さんがこれだけやっているんだから、僕もやらないといけないなという気持ちに何度もさせられました。そういう部分は僕も目に焼き付けたつもりです」と感謝した。

「そういう、いい意味で昭和っぽいところも見せてくれたし、考え方は今流の、近代的な野球にもアジャストできる。ハイブリッドで、唯一無二の選手でしたね」。チームメートに慕われた三嶋が、慣れ親しんだ横浜スタジアムで“最後のマウンド”に立つ。それは後輩たちにとっても、特別な時間となる。

(町田利衣 / Rie Machida)

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