楽天の助っ人はどう選ぶ 大事にする「人間性」…国際スカウトが明かす適応力

楽天の国際スカウトを務めるデリック・ホワイト氏【写真:PLM】
楽天の国際スカウトを務めるデリック・ホワイト氏【写真:PLM】

助っ人野手3人に共通する資質と主砲の存在感

 楽天の国際スカウトを務めるデリック・ホワイト氏が、今季の外国人野手3選手に共通すると指摘するのが「知性」と「適応力」である。圧倒的な身体能力に加え、日本野球へ順応する力を兼ね備えている点を高く評価する。

 新戦力のカーソン・マッカスカー外野手については、初見でサイズと身体能力に圧倒されたと明かす。単なるパワーヒッターではなく、巨体ながら俊敏性を備え、打撃の正確性も高い。日本でもアベレージを残せる素材と位置付ける。

 昨季途中加入のオスカー・ゴンザレス外野手は、積極的に振るスタイルながら高いコンタクト能力を持つ点を評価する。さらに社交的な性格でチームに溶け込む力も強みであり、人間性も含めて日本で結果を出し続ける要因になると分析する。

 そして今季の鍵を握る存在として挙げたのが、元メジャー本塁打王のルーク・ボイト内野手である。技術に加え、「Makeup(人間性)」の高さを最大の武器とし、チームの勝利を最優先する姿勢を評価する。

 ホワイト氏は、ボイトがもたらす影響力をアンドリュー・ジョーンズ氏になぞらえる。浅村栄斗内野手のように周囲を支える存在に加え、ボイトが入ったことでチームに最適なバランスが生まれたと指摘。若手や外国人選手が迷う場面で、経験に基づく言葉で導く役割を担っているとする。

 野球は「自信のスポーツ」であり、失敗が前提の競技であると強調する。ボイトは選手に対し「自信を持っていい」と声をかけ、物事をシンプルに整理して背中を押す。その存在はチームにとって不可欠であると結論付ける。

データと眼力が見極める“適応する力”の本質

 ホワイト氏が選手評価で重視するのは、最先端データだけではない。トラックマンやホークアイの数値は重要である一方、その先にある「Makeup(人間性)」こそが日本での成功を左右すると断言する。

 データは過去の実績を示すが、未知の環境で壁に直面した際の対応までは示さない。そこで必要となるのがスカウトの眼力であり、米国のコーチや関係者との対話を通じて人間性を深く把握する姿勢を貫いている。最終的に成功を分けるのは「アジャストする勇気」であると定義する。

 その象徴例がボイトである。メジャー本塁打王の実績を持ちながら、日本の外角攻めやフォークに苦しんだ。しかしその局面で、自らトレードマークだったレッグキックを捨てる決断を下した。

 実績あるベテランが成功体験を手放し、形を変える。この変化をホワイト氏は「生き残るための知性と柔軟性」と捉える。データ上は不調と映る状況でも、適応する力こそが本質であると見抜いた。

 データが示すポテンシャルを実際の結果へと変換できるのは、環境に応じて変化できる選手のみである。ホワイト氏は、その資質を見極めることこそがスカウトの役割であると位置付ける。

(「パ・リーグ インサイト」高木隆)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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