ドジャース・大谷翔平投手を取り巻く環境は、2026年も異様な熱気に包まれている。20日(日本時間21日)はアリゾナ州グレンデールでのスプリングトレーニング最終日。クラブハウスで、ちょっとした「いざこざ」が起きた。
米経済誌フォーブスなどに寄稿するバリー・ブルーム記者は、ロッカーに座っていた大谷へ声をかけた。次の瞬間だ。屈強な警備員アル・ガルシア氏がすっ飛んできて両者の間に。大谷とブルーム記者はキョトン顔だった。ブルーム記者はこう証言する。
「挨拶をしたら、すぐにロッカーから追い払われてしまった。警備員は私とオオタニを話をさせたくなかったようだ」
大谷への個別取材はドジャースでも禁止のまま。日本ハムのアリゾナキャンプなどNPB時代から大谷を取材してきたブルーム記者は、もちろん、そのルールを知っている。大谷現場の“異質さ”をしみじみと語った。
「私は51年間スポーツ記者をやっているが、選手とは近況や家族のことも話し、信頼関係を築くことを大切にしてきた。ヤンキースがアーロン・ジャッジに対して、このような制限をすることはないし、あのバリー・ボンズでさえ、誰かに『話しかけるな』と止められたことはなかった。話をするかどうかは選手本人が決めることであり、チームや警備員が決めることではないはずだ」
サイン欲しさに大谷へボールを投げる少年も…
ただ、ドジャース側の言い分も分かる。大谷を取り巻く環境は、他とは明らかに違うからだ。ファンの熱狂ぶりを見ただけでも分かる。この日は平日の金曜日にも関わらず、多くのファンがキャンプ地へ。大谷がグラウンドに姿を見せただけで「ショウヘイ! ショウヘイ!」と大盛り上がりだった。
見ていて危険な場面もあった。ある少年が、フェンスの向こう側にいた大谷へ「サインプリーズ!」と硬式ボールとサインペンを投げつけたのだ。幸い大谷や近くにいた球団関係者に当たることはなかったが、これにはヒヤリとさせられた。
メディアの取材に関しても、誰もが大谷の話を聞きたいのは百も承知。囲み取材では毎度、二重三重の人垣ができる。全てのトラブルやアクシデントを予測できないからこそ、球団としては厳格な制限をかける。球団の意図も理解できる。
ドジャース3年目は今世紀初のワールドシリーズ3連覇へ向けた戦いとなる。大谷はチームを支える中心選手として、すっかり板に付いてきた。ただ、大谷への周囲の熱狂ぶりは、今年も変わらない。