20歳に根負け…西武25歳が悔やんだ“詰めの甘さ” 初の開幕投手も、右腕に訪れた試練

浦和学院高時代に慣れ親しんだ県営大宮でプロ入り後初登板
■ロッテ 6ー3 西武(10日・県営大宮)
初の開幕投手を務めた右腕に、試練が降りかかっている。西武・渡邉勇太朗投手は10日、埼玉県営大宮公園野球場で行われたロッテ戦に先発。6回2/3を2失点と好投したが、打線の援護に恵まれず、今季3試合目の登板でも白星は付かなかった。
「久しぶりです……」。試合前練習でグラウンドに足を踏み入れた渡邉は、懐かしそうに目をしばたたかせた。
西武では年2試合の恒例となっている大宮開催。渡邉が登板するのはプロ8年目で初めてだが、埼玉・浦和学院高時代には何度もマウンドに上がった慣れ親しんだ場所だった。高校3年の2018年夏、南埼玉大会決勝で川口高を相手に先発し、念願の甲子園出場を決めたのもこのグラウンドだった。当時チームの「3番・中堅」で出場していたのは、プロでもチームメートとなった蛭間拓哉外野手だ。
とはいえ、ゆかりのあるグラウンドが渡邊に与えたのは試練だった。2回1死二塁で寺地隆成捕手に、ファウルを8球打たれて粘られた挙句、11球目の内角低めのカットボールを中前適時打された。さらに4回1死一、三塁でも、再び寺地にスプリットを左前へ弾き返され2点目を失った。
西武打線が5回にようやく1点を返した後、7回2死二塁のピンチを背負ったところで交代。119球でマウンドを降りたのだった。
結果的に、寺地1人にやられた。渡邉自身「なんとか粘って投げることができましたが、本当は投げ切りたかったというのが本音です。追い込んでから打たれたり、嫌なところに打球が飛んでしまう点について今後、粘り勝てる投手になるためにしっかり詰めていきたいと思っています」とコメントした通り、20歳の寺地に根負けし、高い“授業料”を払わされた格好だ。
昨季自己最多7勝、「なるべく経験のない投手に経験させたい」との監督方針
渡邉は昨季、自己最多の7勝(9敗)をマークし、防御率も2.69。昨年まで2年連続で開幕投手を務めていた今井達也投手がアストロズに移籍し、隅田知一郎投手が今季開幕直前にWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場したこともあって、西口文也監督の「なるべく開幕経験のない投手に経験してもらいたい」の方針で、25歳にして初の開幕投手に指名された。
同じロッテとの対戦だった3月27日の開幕戦は、7回2失点に抑えるも、打線がドラフト2位の毛利海大投手に封じ込まれ敗戦。今月3日の楽天戦では6回6失点で2敗目を喫していた。
「勇太朗は、勝ちは付いていないけれど、ゲーム自体はつくってくれている」というのが西口監督の評価。「ちょっと今はしんどい時期かもしれないけれど、そういうところを乗り越えていかなければいけない。こういうピッチングを続けていってくれればというところです」と親心をのぞかせた。
191センチ、103キロの体格に秘められたポテンシャルの高さは誰もが認めるところだが、まだシーズンを通して規定投球回をクリアしたことがない。決して調子は悪くない若い投手が、結果に引きずられて調子まで落とすケースもよくある。渡邉がプロ8年目を飛躍の1年にできるかどうかは今後の登板次第だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)