エンゼルスで大谷翔平とチームメート、モニアックはロッキーズの主力打者に成長
4年連続の地区最下位から巻き返しを目指すロッキーズで、ひときわ存在感を放っているのがミッキー・モニアック外野手だ。2022年途中からエンゼルスで大谷翔平投手(現ドジャース)とチームメートだった27歳は、移籍2年目の今季はここまで打率.273、6本塁打、12打点、OPS.960。2016年のMLBドラフト全体1位男が、オールスター級の成績を残している。覚醒の理由を聞いた。
「お久しぶりです」。そう声をかけると、モニアックは人懐っこい笑顔を見せた。昨季の開幕直前にエンゼルスから事実上の戦力外(DFA)となってロッキーズ入り。2025年5月まで打率2割台前半と苦しんだが、同年6月に「きっかけ」をつかんだ。
「自分がやってきた練習を信じることです。これまで何千、何万回とバットを振ってきたことを信じて、『自分はメジャーのトップレベルでもやれるんだ』と思い込むようにしたんです。いざ試合が始まったら、メカニクス(打撃技術)などは全て忘れる。ただ、目の前のボールを打つことに集中する。そう思うようになってから、全てがうまくいくようになりました」
2025年6月は月間打率.300、6本塁打、12打点、OPS1.124と堂々の好成績をマーク。誰に言われたわけでもない。このマインドセットが好転のきっかけになった。メジャー6年目の昨季は135試合出場して打率.270、24本塁打、68打点、OPS.824。外野のレギュラーを勝ち取った。
好不調の波を克服「昨年6月初めから自分に合うものを見つけられた」
「キャリアを通じて常に自信は持っていましたが、好不調の波はありました。ただ、昨年6月初めから自分に合うものを見つけられ、今はリラックスして打席に立てている。これは経験から来るものだと思います。メジャー7年目を迎え、環境や対戦相手にも気後れしなくなりました。この精神的な余裕があるからこそ、常に学び、成長し続けることができています」
「球場に来る時は『4安打を打とう』とかそういったことは考えません。チームが勝つために、自分に何ができるかに集中しています。それができれば、個人の成績は後からついてくるものです。自分でコントロールできることだけに集中し、楽しむようにしています」
オフのトレーニングにも迷いはなくなった。「メジャーはとにかく試合数が多く、休みが少ない」。年間を戦い抜くための肉体改造に精を出したという。
「オフは体を強くすることに集中して、準備を整えました。シーズン中はトレーナールームやウエートルームでオフに作った筋力を維持するようにしています。試合が始まったら全力を尽くし、試合が終わったらリカバリー。1日1日を大切にしています」
今季は開幕こそ負傷者リストで迎えたが、4月3日(日本時間4日)のフィリーズ戦でメジャー復帰。「3番・右翼」で先発出場した5日(同6日)の同戦では1試合2発を放つなど主軸に定着した。
元同僚の大谷がいるドジャースとの4連戦でも存在感はピカイチだった。19日(同20日)の第3戦では、6回守備で大谷の左翼線付近への飛球をスライディングキャッチ。「ショウヘイが鋭い打球を打ちましたが、打った瞬間に良い反応ができた」。7回に逆転6号2ランを放ち、2連勝へ導いた。
大谷と同じユニホームを着ていたのは、3年前の2023年になる。それでも、モニアックの脳裏には強烈なインパクトが残っている。
「最も学んだのはショウヘイの『準備』です。練習に対する細部へのこだわりが凄い。ただ球場に来てプレーするのではなく、シーズンを戦い抜く体を作るために、フィールド外でも、ものすごく努力している。彼の仕事ぶりや打席での姿勢を見ているだけで、とても勉強になります。そして友人と呼べるような素晴らしい関係を築けたことも良かったです」
「彼はユニコーンのような特別な存在です。自分はショウヘイほど遠くにボールを飛ばせないが、彼のように細部までこだわる姿勢は、自分のスタイルにも取り入れようと思っています」
伸び悩んだ全米ドラ1男が、いよいよ完全ブレークの時を迎えようとしている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)