MLB移籍断念も…29歳で再覚醒 “激変”した西武右腕、指揮官も強調「全然違う」

ソフトバンク戦で好投した西武・高橋光成【写真:加治屋友輝】
ソフトバンク戦で好投した西武・高橋光成【写真:加治屋友輝】

西口監督の9回続投打診に「思ったほど疲れてないんで行けます」

■西武 3ー1 ソフトバンク(22日・ベルーナドーム)

“ニュー光成”の快進撃は今後も続きそうだ。西武・高橋光成投手は22日、本拠地で行われたソフトバンク戦に先発し9回を3安打1失点。2023年7月25日にロッテ戦で完封して以来、3年ぶりの完投で今季2勝目(2敗)を挙げた。防御率は1.20でリーグ3位となり(成績は22日現在、以下同)、完全復活の狼煙を上げている。

 西口文也監督は試合後、インタビュアーから「ナイスゲームでした」とマイクを向けられると、「はい、ナイスピッチングでした」と高橋への称賛の思いを込めて返答した。

 久しぶりに9回を投げ切る充実感に包まれた。3-1とリードして迎えた9回。8回までに113球を投げていた高橋は、西口監督から続投を打診され、「思ったほど疲れてないんで、行けます」と少しおどけて応じたという。指揮官も「それじゃ、責任を持って行ってくれ」と右腕に託した。

 ラストイニングの内容が圧巻だった。先頭の近藤健介外野手を外角低めのスライダーで空振り三振に仕留めると、初回に本塁打を被弾していた栗原陵矢内野手に対しては、152、153キロのストレートを3球続けて3球三振に。最後は柳田悠岐外野手からフォークで空振り三振に奪った。3者三振フィニッシュに「最高っすね」と笑顔が弾けた。9回3安打1四球1失点で、強力ソフトバンク打線を封じ込めた。

 2023年まで3年連続で2桁勝利を挙げていたが、2024年にまさかの0勝11敗で大失速。復調の気配を見せた昨季も、8勝9敗(防御率3.04)と黒星が上回った。2023年にリーグ単独最多の「4」に上った完投数も、ここ2年間は「0」だった。

 今季、復活を印象づける投球ができている要因はどこにあるのだろう。高橋自身は「どの球種でも勝負できることが、自分の強みになってきていると思います」と分析する。

昨季オフはメジャー移籍断念も、今季中に海外FA権取得の見込み

 この日は126球中、最速155キロを計測したストレートが54球(42.9%)、フォークが31球(24.6%)、スイーパーとカットボールがいずれも14球(11.1%)、縦のスライダーが13球(10.3%)。ストレートとフォークが主体となっているのは以前と変わらないが、今季から球種に加えた、130キロ前後で横に大きく曲がるスイーパーがアクセントとなっている。縦のスライダーやカットボールも精度を増しているようだ。

 与四球率(9イニングあたりの与四球数)も、昨季が2.49、一昨年が2.66、好調だった2023年も2.73だったが、今季は1.20と制球が安定している。

 高橋自身、復活というより「全然投球スタイルが変わっているので、(2023年以前と)同じではないかなと思います」と“ニュー光成”をアピール。西口監督は「今年は投球内容が去年と全然違うし、ボールの質もいい。今年はまだまだやってくれるんじゃないかという期待を持っています」と目を細める。

 昨季オフにはポスティングシステムの申請手続きを行ったが、メジャー移籍を断念し西武に残留。しかし、今季中に海外FA権取得の条件を満たす見通しで、活躍するほど野球人生の選択肢が増えそうだ。2月に29歳となった高橋にとっても、3年連続5位以下の低迷から脱出を期すチームにとっても、今季は大事なシーズンである。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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