借金10で最下位、中日を迷わす“機能不全” 深刻さ示す「80」…OBが指摘した意識「余裕がない」

中日・井上一樹監督【写真:加治屋友輝】
中日・井上一樹監督【写真:加治屋友輝】

中日OBの中尾孝義氏があげた、巻き返しのポイント

 中日は、24日から本拠地で行われた首位ヤクルトとの3連戦を、今季初の同一カード3連勝で飾った。一時は勝率1割台と低迷していたが、ようやく調子が上向き傾向。ただ、29日時点で借金は10あり、最下位に沈む。1982年の中日優勝時に捕手でMVPに輝いた野球評論家・中尾孝義氏は「苦しいスタートだったので、井上(一樹)監督は辛かったでしょう」と慮る。逆襲へのポイントを挙げてもらった。(成績は29日時点のもの)

 開幕前、中尾氏の中日への期待は大きく、上位争いに加わる戦力を備えていると見ていた。それが……。「強いチームに対して、中日はレギュラー、準レギュラーが五体満足で初めて互角に戦える。そしたら逆でしょ」。岡林勇希外野手やミゲル・サノー内野手ら、主力に故障者が続いたことに触れ、「オフからキャンプ、オープン戦と何をやっていたのか。管理するはずの首脳陣、球団も、プロとしての心構えができてないのでは」と猛省を促した。

 陣容が揃っていなくても、容赦なくシーズンは進む。中日は何を変えるべきなのか。「中日の打者は、相手バッテリーから見ると穴が大きい。それをなくしていかないと駄目。みんな引っ張りにいって、アウトコースを踏み込んでいけていない。形が良くない。『自分が良けりゃいい』としか映りません。チーム一丸となって、逆方向に打つ意識で臨んでみてほしい。負けが込んで余裕がなく、焦りもあるのでしょうけど」。チーム打率は.251でリーグ2位タイだが、80得点はリーグ5位。中尾氏は、攻撃がつながらない要因を指摘した。

 中日は26試合を終えて8勝18敗。接戦を取りこぼすケースが目立ち、逆転負けは11試合と多い。「野球は7、8、9回が特に大切です。そこでひっくり返されると、チームが受けるショックも大きい」。ただ、守護神の松山晋也投手が復帰し、日本ハムから金銭トレードで獲得した杉浦稔大投手も状態が上向くなど、リリーフ陣が整いつつあるのは光明だ。

高橋宏斗の復調がカギ「あっさり投げてしまっている」

 先発陣では柳裕也投手、大野雄大投手の中堅、ベテランが援護に恵まれない中でも奮闘している。2年目左腕の金丸夢斗投手の内容も悪くない。だからこそ中尾氏は、エース高橋宏斗投手の復調を切望する。「一昨年のフォームが1番良かったと思うのですが、あの頃と比べると何か淡泊。(以前は)もっと粘り強く、球持ちが良かった。下半身からの捻りがあってこそ、パワーが生み出されるのですが、あっさり投げてしまっている」と分析。26日のヤクルト戦で今季初勝利をあげたが、さらなら奮起を期待する。

 また、中尾氏は首脳陣が積極的に選手をけん引してもいいのではと提案する。「捕手のリードがおかしくなっていると思ったら、ベンチが1球1球サインを出してみてもいい。嶋(基宏)ヘッドコーチは、楽天時代に監督の野村(克也)さんの下で経験を積んでいるでしょ。サインを出される捕手は悔しいかもしれないが、配球をより考えるようになりますよ」。

 出遅れはしたが、まだ開幕から1か月しか経っていない。「まだまだ巻き返せますよ。大体どのチームも、シーズン3分の1は勝って、3分の1は負ける。残りの3分の1を勝つか負けるかで順位が決まってくる。負けが多い時は楽しくないとは思うが、元気がないよりはあった方がいい。やっぱり明るく声だけでも出してみる。受け身にならず、攻める気持ちで頑張ってほしいですね」。中尾氏は後輩たちの奮起を信じている。

(西村大輔 / Taisuke Nishimura)

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