根尾昂は「真面目すぎる」 中日OBが求めた“遊び心”…力任せのスタイルが招く危険

中日・根尾昂【写真:栗木一考】
中日・根尾昂【写真:栗木一考】

中日OBの中尾孝義氏が指摘した根尾の課題

 中日の根尾昴投手が4月8日、DeNA戦でプロ勝利をあげた。ドラフト1位で入団し8年目、投手転向5年目で掴んだ白星は、ファンにとっても感慨深いものになった。1982年、捕手として中日のリーグ優勝に貢献し、MVPにも輝いた野球評論家の中尾孝義氏は「注目される中、ここまで苦しかったと思いますよ。怪我なく、よく頑張ってきました」と祝福。リリーフとして活躍する右腕の可能性を探った。(成績は4月29日時点のもの)

 8日のDeNA戦(横浜)は、根尾にとって忘れられない試合となった。4-4の延長10回に6番手で登板すると、1イニングを3人で片付けた。攻撃陣が11回に勝ち越して、待望の白星が舞い込んだ。根尾は2022年途中から投手に転向。その年こそ1軍で25試合に登板したが、2023年以降の3年間は2試合、3試合、4試合と登板数が減少。しかし今季は、すでに8試合に登板している。

 中尾氏が根尾について「当然ですが、投手に転向した頃は、野手が投げている感じに映りました。打者からボールが見やすい。肘から後ろが遅れて出て来る形で投げられるようになれば、と考えていました。それは少しずつ出来ている。今はいい球を投げてますよ。初勝利の時のように、大事な場面で起用される投手になってきています」と評価した。

 一方、課題も見えた。4月17日、19日の阪神戦(甲子園)では、森下翔太外野手と佐藤輝明内野手にそれぞれ一発を浴びた。ともに打たれたのは真っ直ぐだった。「150キロで甘いコースに行くより、145キロでも厳しいコースにいった方が打者はイヤなんです。ストライクからボールになる“空振りを奪える球”があるか。その辺りをこれからどれだけできるかですね」。中尾氏は最優先のテーマとして、制球力の向上を求めた。

投手としての成長に期待「最終的には先発をやってほしい」

 根尾の球種はストレートにスライダー、フォークの3種類が軸。シュート系のツーシーム、カーブもあるが、割合は少ない。「ストライクが欲しいときに取れるのは、ほぼ直球。変化球で取れるようにもしたいところです。例えば左打者に対して、外からの変化球やインコースのボール球を振らせる変化球など。そういう術を覚えれば、真っ直ぐが生きてくる。今はまだ、変化球が入らずカウントを悪くしたところで力任せに速球を投げて、痛打を浴びるケースが見受けられます」と指摘した。

 さらに緩急や高低、ベース幅を利用した配球の必要性にも触れた。「球速差がほしい。今は全てがが目一杯。緊迫した場面でのリリーフ登板では難しいかもしれないが、もっと遊んだ投球をしてもいい。根尾は真面目すぎるかなと。カーブとか遅い球を磨いても面白い。あとはスライダーを上手く見せるには逆方向の球、シュートを活用したい。高さで勝負なら真っ直ぐとフォーク。横と縦のライン。反対のボールを有効に使えるかがポイントです」。

 投手から野手に転向するケースはあるが、根尾のような逆パターンはプロ野球では珍しい。中尾氏は、26歳右腕の挑戦にエールを送る。「僕の最終的な希望は、先発をやってほしい。ただ現状では、良くてリリーフの1イニング、または打者一回りまでかなと。先発投手が早々と降板したりしたときに、3~4イニング投げられるようになればチャンスが増えてくると思います」と、今後の成長に期待を寄せた。

(西村大輔 / Taisuke Nishimura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY