日本人妻&愛娘と新たな挑戦 “2冠”の元巨人助っ人が踏み出した「旅の軌跡」

巨人やソフトバンクでプレーしたアダム・ウォーカーは今季から新潟へ
2022年に来日して、早くも5年目を迎えたアダム・ウォーカー外野手。巨人、ソフトバンク、ルートインBCリーグ・神奈川を経て、今季からファーム・リーグに参加するオイシックス新潟に加入し、同リーグ東地区で現在本塁打と打点の“2冠”を誇る。米国出身の34歳だが、「ここが好き」と話す日本でプレーし続けるのには理由がある。
リーグ開幕から1か月半。新たなユニホームで「まだ調子の波はありますけど、最近は良くなってきています。それにすごく楽しんでプレーできています」と微笑む。4月30日の阪神戦では豪快なパワーを示す満塁弾を放つなど、ここまで23試合で打率.261、5本塁打、16打点、OPS.891。確かな存在感を示している。
「ウォーカーの本塁打には夢があるでしょう」と目を細める武田勝監督は、「走塁とかも積極的に、一生懸命やってくれているし、今は本当に野球を楽しんでやってくれていますね。移動も含めて日本の環境には慣れているから、生活面のストレスはないと思います。あとは気持ちよくスイングできるかだけ」と“適応力”に太鼓判を押した。
巨人時代の2022年は124試合で打率.271、23本塁打、52打点の好成績をマーク。2023年は出場機会を減らし、同年オフに外国人選手では“異例”ともいえる交換トレードでソフトバンクに移籍した。新天地では開幕スタメンを掴むも、最終的には20試合で打率.169に終わり、オフに自由契約となった。2025年は神奈川で本塁打と打点の2冠を獲得。守備面に課題は残るが、持ち前の打撃でアピールした形だった。
「以前は左投手に苦しんでいた。今は良くなっていると思います」
そして次なる地に新潟を選んだ。ウォーカーは「神奈川にいたときもNPBの2軍チームと対戦する機会はありましたが、このチームの方がチャンスが増えると思ったんです。NPBのスカウトの方に、より多く見てもらえると考えたのが一番の理由です」と移籍理由を説明した。
当然、その背景にあるのは「今年NPBに復帰できればうれしい」という思いだ。「そのためには安定した打撃をすること。以前は左投手に苦しんでいたので、オフにそこを練習してきて、今は良くなっていると思います。そこが克服できればチャンスはあると思います」と力を込めた。
2024年オフに日本人女性と結婚し、昨年10月には第1子となる長女の誕生を発表した。現在は家族3人で新潟で暮らす。来日5年目で、すっかり日本は“第2の故郷”だ。「NPBにいたときに素晴らしい経験をすることができました。奥さんと出会ったのも日本ですし、奥さんが日本の生活をサポートしてくれています。自分はプレーできるのであれば世界中どこへでも行こうと言う気持ちがありますが、NPBはMLBの次にレベルの高いリーグだと思っているのでここでプレーしています」と文化にも野球にも惚れ込んでいる。
そしてもうひとつ、生まれた目標がある。「今は子どもが小さいので、自分が野球をプレーしていることはまだわからない。でも彼女が大きくなったときに、自分が夢を叶えるために努力した、その旅の軌跡のようなものを知ってほしいと思っているんです」。この先に歩む道は、守るべき家族の幸せにも繋がっていく。
(町田利衣 / Rie Machida)