イタリアでまさかの事態に「貯金切り崩した」 元NPB左腕が直面したトラブル

楽天、DeNAでプレーした濱矢廣大【写真:町田利衣】
楽天、DeNAでプレーした濱矢廣大【写真:町田利衣】

濱矢廣大は2020年限りでDeNAを戦力外となり“ジャーニーマン”に

 楽天とDeNAでプレーした濱矢廣大投手は、2021年からメキシコ、イタリア、ドバイ、豪州と渡り歩き、今年2月に豪州永住権を取得した。海外を渡り歩く中で、イタリア野球では非常に稀な給料未払いに遭うトラブルも。SNSで自らを売り込みチーム探しを行うなど、NPB時代からは想像もつかないような日々を過ごしてきた。

 2020年限りでDeNAを戦力外となり、BCリーグ・茨城に所属した。しかし思うような投球ができず「とにかく環境を変えよう」とかねてからオファーのあったメキシコ行きを決めた。DeNA時代の2019年オフ、メキシコのウインターリーグに参戦していた縁もあった。

 メキシコでは食事面や環境面に苦しむ選手も多いというが、「食事もおいしかったですし、現地の日本人トレーナーさんが良くしてくれたのもあって、そこまで大変なことはなかったです。だいたいみんな病気になったり、すごく痩せたりするんですけどね。夜も出歩かなかったので危ない思いもしていません」と振り返った。

 その後、イタリア野球を盛り上げたいと発信しているSNSを発見。自ら「興味あります」とコンタクトを取り、ヨーロッパに渡ることになる。野球のイメージはあまりない場所だが、「行ってみたら球場もしっかりしていますし、日本の独立リーグくらいのちゃんとしたリーグだったのでそこまで違和感はなかったんです。でも……」。まさかの事態に見舞われた。

イタリア語で頑張って『ご飯食べられないよ』ってずっと伝えて」

「給料未払いですね。普通の仕事だと起こり得るというのは現地の人から聞いていたとはいえ、野球界では珍しいことなんですが……。2〜3か月は平気で止まっちゃう。イタリア語で頑張って『ご飯食べられないよ』ってずっと伝えて、そうしたら『今これだけしかない』って手渡しされたりするんですが、給料の10分の1くらい。だからいくらもらっているのかわからなくなるんですよ。そこでだいぶ貯金を切り崩しましたね。チームやタイミングの問題でそういうことが起きました」

 秋にシーズンが終わり一時帰国。次の場所を探しているときに、豪州は冬からリーグ戦を行うことを知った。そしてパースのチームからオファーを受け、永住権を取得するほど大好きになる地と巡り合った。

 豪州のプロリーグは11〜1月の約3か月のみのため、現在はアマチュアリーグに所属している。3月のメルボルンステイトリーグでは9回18奪三振で完封勝利という“無双”ぶりを見せた。「どんどんリーグのレベルが上がっている気がするし、それに貢献できているなと思います」。33歳の“ジャーニーマン”は、南半球でさらなる進化を遂げている。

(町田利衣 / Rie Machida)

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