大谷翔平と初対戦…エルドリッジは完敗「見極めるのが本当に難しかった…」
ドジャースの大谷翔平投手は13日(日本時間14日)、本拠地でのジャイアンツ戦で今季3勝目を挙げた。この試合で、ジャイアンツの「5番・DH」で出場していたのが、21歳のブライス・エルドリッジ外野手だった。高校時代は大谷に憧れ、二刀流として活躍してプロ入り。臨んだ初の対戦では、2三振を喫するなど手も足も出なかった。
「最高の投手と対戦できることに興奮していた」。第1打席は2死一、三塁と先制のチャンスで巡ってきた。スイーパーを見逃し、100.6マイル(約161.9キロ)のフォーシームをファウル、そして3球目に膝元へ消えるスイーパーであっさりと三振に倒れた。
第2打席ではスイーパーを何とかバットに当ててファウルにしたが、直後の高めへの釣り球に空振り三振。第3打席も力ない二飛に倒れ、初対戦は完敗に終わった。
「スイーパーは凄かった。見極めるのが本当に難しかった……」
身長2メートルのエルドリッジは長打力が魅力だが、打率は1割以下とデビュー2年目でメジャーリーガーのボールに対応している最中。18メートル先に立っていた怪物に、いいように弄ばれた。
「彼のボールは素晴らしかった。彼が今リーグを支配し、現役最高と言われているのには理由があるんだと実感したよ。本当に良い球を持っているし、あれだけの投球をしながら、年間50本塁打を放ち、50盗塁を決めてしまうんだから、明らかに驚異的だ」
学生時代は二刀流で注目浴びる「誰でもショウヘイのようになりたいと思う」
エルドリッジは2023年のドラフトで二刀流(Two-way player)としてプロ入り。1巡目(全体16位)指名と高評価を受けたが、肩の故障もあって投手としてのプレーは断念。左の長距離砲として育成され、昨年9月にメジャーデビューを果たした。
日本の学生野球でも投手が打者としてチームの主砲を務めることは珍しくない。それは米国でも同様だ。しかし、プロでやるとなると話は違ってくる。高校時代、エルドリッジが二刀流でプロを目指そうと思った理由は、他でもない大谷の影響だった。
大谷は2018年にデビュー。二刀流で活躍する姿に、当時中学生だったエルドリッジの胸が躍った。「自分がメジャーでも二刀流ができるという希望を与えてくれたのは彼だった。彼に憧れるのは簡単だったし、いつも観ていた」。プロ注目の存在に成長し、U-18W杯では日本代表を準決勝で撃破。二刀流として活躍して大会MVPにも輝いた。
「誰でも彼に憧れて、ショウヘイのようになりたいと思うだろう。自分も投打両方できると人々に知らしめるために、彼と自分を比べようとしたよ。彼はやっていることが凄い……。自分は長身の左打ちなので、彼が打席でしていることを観察して、彼のちょっとしたことに注目したり、彼の動き方や、軸足のタメ方を理解しようとしたりした」
二刀流でプレーすることに、未練がないわけではない。「当時は怪我もあったから。でも今では、二刀流をやってみたかったとも思う」。一方で、今になってその難しさも痛感する。
「メジャーで二刀流をやることは、学生時代とはまったく別もの。想像もできないよ。だから彼は彼なんだ。彼は1of1(唯一無二)だ。彼をとても尊敬しているし、プロとしての今の彼であるために彼が相当努力していることも尊敬している」
大谷の大活躍で、どこか当たり前のようになっている二刀流としてのプレー。しかし経験者だからこそ、メジャートップレベルで投打両方をこなすことの凄まじさを改めて感じている。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)