現ドラ移籍の西武で感じた“違い” ロッテに欠けていた「具体性」…平沢大河が明かす覚醒のワケ

昨季は開幕当日にぎっくり腰でまさかの出場選手登録抹消
プロ11年目のブレークとなるか。一昨年オフの現役ドラフトでロッテから西武に移籍した平沢大河内野手が、新天地2年目の今季、連日スタメン出場して打率.323(96打数31安打=16日現在)と好調な打撃を披露している。宮城・仙台育英高時代に甲子園を沸かせ、2015年ドラフト1位でロッテ入りしたが、期待に応えきれなかった。西武での見違えるような活躍の理由を、本人が語った。
昨季まで3年連続5位以下と低迷していた西武に、新風を吹き込んだ選手の1人だ。4月29日に本拠地で行われた日本ハム戦で、先制タイムリーを放ち移籍後初のお立ち台に上がると、5月9日の楽天戦でも、逆転2号3ランの大仕事をやってのけた。
移籍1年目の昨季も、春季キャンプ、オープン戦を通じて1軍に帯同していたが、開幕当日の3月28日に、ぎっくり腰で登録抹消。その後、回復したが夏場にもう1度、軽度のぎっくり腰を発症した。その影響もあり、1軍では7試合のみの出場で、打率.059(17打数1安打)と戦力になれなかった。
平沢は「去年は1年間ずっと、腰に不安がありながらのプレーでした。ぎっくり腰はロッテ時代にも何度かあって、今も、いつなってもおかしくない。常にケアとトレーニングを両立させています」と不安な心情を吐露する。「隙を見せてはいけないと思っています。トレーナーの方にマッサージしてもらい、自分でも体幹トレーニングをしながら、腰を伸ばしたりほぐしたりしています」と慎重の上にも慎重を期している。
今季は春季キャンプ、オープン戦を通じて2軍。開幕1軍も逃したが、それでも「1、2軍の入れ替えは絶対にあると思っていたので、その時、一番に呼ばれるように、まずは2軍で開幕から常に打率3割をマークできるように、準備していました」と明かす。実際、2軍で11試合に出場し、打率.313(32打数10安打)、出塁率.429の好成績で“ノルマ”を果たし、4月5日に1軍昇格。そこから快進撃が始まった。

一昨年12月に結婚「自分だけじゃない、家族のためにという責任感」
西口文也監督からは挨拶代わりに「いつまで(好調が)続くかな。そろそろ落ちてくるんじゃない?」とからかわれる。平沢は「リラックスさせてくれているのだと思います。監督に声をかけていただくとホッとしますし、気にかけてくれていると思うと、うれしいです」と微笑む。
好調な打撃については「ライナーがしっかり飛んでいるのがいいところです。低い打球を意識して、フライやゴロをできるだけ打たないようにしています。以前から意識していたことですが、試合ではなかなかそういう打球を打てなかった。練習の成果がちょっとずつ出てきているのかなと思います」と自己分析する。
一方で「試合前のスコアラーとのミーティングで、狙い球を絞れたり、自分の中で決め事をしたりして、しっかり試合に臨めています。それが心の余裕につながっているのかなと思います」とも語る。ロッテ時代との違いについては「大きくは変わりませんが、どちらかというと、(ロッテ時代の相手投手対策は)全体的にこうという感じで、西武の方は打者それぞれ攻められ方が違うからと、より具体的にミーティングをしている感じがします」と受け止めている。
私生活では、一昨年12月に4歳上の女性と結婚。「食事面でサポートしてもらっていますし、野球に集中できる環境をつくってもらっているので、ありがたいです。僕自身にも、自分だけじゃない、家族のためにという責任感が生まれて、いい成績につながっているのかなと思います」と照れくさそうに話してくれた。
このままシーズンを通して活躍し、レギュラーの座をつかむことができるか。「僕には1軍の試合に出続けた経験がないので、1年間となると分からない。今はまずオールスター(7月28、29日)まで、しっかりこのままスタメンで出続けられるように頑張ります」と着実にステップを踏んでいくつもりだ。大器がいよいよ覚醒しつつある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)