“普通の選手”から突如覚醒 2025年の大ブレーク→WBCではMVP、侍Jの夢を打ち砕いたガルシアが大切にする習慣
2025年に大ブレークしたロイヤルズのマイケル・ガルシア【写真:ロイター】ロイヤルズでは2025年に大ブレーク、球宴選手になれた理由とは…
3月に行われた第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で悲願の初優勝を果たしたベネズエラ。爆発力と緻密さを兼ね揃えた野球は世界の頂点にふさわしく、見ていて楽しい野球だった。その中心にいたのが、MVPに輝いたマイケル・ガルシア内野手(ロイヤルズ)だ。準々決勝の日本戦でも、勝負の潮目を変えるアーチをかけた26歳に、その安定した活躍の秘訣を聞いてみると意外な答えが返ってきた。
所属するロイヤルズでは、不動の「1番・三塁」としてチームの攻撃のトーンを決める重要な役割を果たす。2022年にメジャーに昇格すると、足を生かしたスタイルで正三塁手の座を掴んだが、打撃においても、守備においても荒削りな印象があったことは否めなかった。ガルシア自身も「自分をあまりコントロールしきれていなかった」と振り返る。
それが、2025年になると生まれ変わったかのように正確さを増した。打率はリーグ9位の「.286」を残し、本塁打は前年の7本から16本に倍増した。四球数も42から62に増え、守備では失策数が14から8へと減った。その結果、選手の総合評価指数にあたるWARは、“通常”のスタメン選手レベルの1点台からオールスター級の5点台に急上昇。実際に、ブランドン・ロウの代役ではあったがオールスターにも選出され、三塁手としてゴールドグラブ賞を受賞している。
2025年にはオールスターに選出されたガルシア(右)【写真:アフロ】WBC準々決勝では隅田から反撃の狼煙上げるソロ弾
この流れがあって迎えたWBCだ。全7試合で打率.385、1本塁打7打点3盗塁のパフォーマンスに不思議はない。その数字以上に光ったのが、カギとなる場面での勝負強さだった。特に決勝トーナメントでは、準々決勝の日本戦で隅田知一郎投手から放った反撃開始を告げるアーチ、準決勝のイタリア戦で放った勝ち越し打、そして決勝・米国戦での先制犠飛。「ペナントレースとWBCはまったく別物。WBCではすべての試合が決勝戦のような盛り上がりで、あの独特の雰囲気が力を引き出してくれた部分もあると思うんだ」と笑顔を見せる。
ベネズエラ代表は、球宴5度のビクター・マルチネス(ベンチコーチ)、3冠王のミゲル・カブレラ(打撃コーチ)、サイ・ヤング賞2度のヨハン・サンタナ(投手コーチ)らが熱血漢のオマー・ロペス監督をサポートする豪華布陣。メジャーで酸いも甘いも噛み分けた強者揃いの首脳陣の存在が、戦術的にはもちろん、メンタル面でも選手にとって頼れる後ろ盾となっていた。ガルシアもまた、尊敬するレジェンドたちからのアドバイスが活躍を後押ししたのかと思いきや、「実は……」と話し始めた。
4年前から始めた習慣「自分の感情をコントロール
WBC優勝で得た大きな自信「興奮しすぎずに…」
(佐藤直子 / Naoko Sato)
