日本での“狂気的な人気”は「ああ、知ってるよ!」 15敗&防御率6.65から“別人覚醒”…センザテーラが異国に送る感謝

  • 上野明洸
    上野明洸 2026.05.26
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ロッキーズのアントニオ・センザテーラ【写真:上野明洸】ロッキーズのアントニオ・センザテーラ【写真:上野明洸】

昨年は先発で苦戦…日本のファンの間でも話題になったセンザテーラ

 ロッキーズのアントニオ・センザテーラ投手は、今季ここまで中継ぎとして15試合に登板。打者天国のクアーズ・フィールドを本拠地にしながら、防御率1.13、WHIP0.78の好成績を残している。昨季は30試合で4勝15敗、防御率6.65。ロッキーズ一筋の31歳が復活のワケを明かした。

「とても良い感じだよ。すべてが上手くいっていると思うし、球の走りも良い。すべて順調だ」

 ベネズエラ出身の右腕は、2011年にアマチュアFAでロッキーズに加入。2017年に10勝5敗の成績を残すと、2019年には11勝11敗。近年低迷するなかでもローテーションを支え、2021年オフには5年総額5050万ドル(約80億円)の契約を結んだ。

 しかし、大型契約直後に悲劇に見舞われた。2022年には左膝の前十字靭帯断裂、2023年には右肘のトミー・ジョン手術を受けた。昨年は8月下旬までに23試合に先発。ローテーションに入って投げ続けたものの、大量失点する試合が続き、8月22日(日本時間23日)の試合を終えて4勝15敗、防御率7.42。以降はリリーフに配置転換となった。

 昨年、センザテーラがインパクトのあるスタッツを残したことで、右腕の存在は日本のファンの間でも話題に。今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した際は日本のX(旧ツイッター)で名前がトレンドに入ったこともあった。

 日本のファンから人気を集めていることは、本人も把握しているという。きっかけは同僚の存在だった。

「ああ、知ってるよ! この前、日本にファンがたくさんいることをスガノが教えてくれたんだ。ワオって感じだね! 嬉しいことだよ。私はすべてのファンを愛していますし、日本の皆さんが私を好きでいてくれることに心から感謝しています。ハッピーだね」

 菅野智之投手とは今季から同僚に。5歳年上の右腕から、学ぶことも多い。「彼は私たちよりもずっと長く野球界に身を置いています。彼の試合へのアプローチや、チームメートとしての姿勢などは本当にお手本になる。毎日ハードワークをこなし、素晴らしい姿勢で仕事に臨んでいる。彼のそんな良いところを見習っているよ」。

日本での反響をセンザテーラに伝えたという同僚の菅野智之(左)【写真:ロイター】日本での反響をセンザテーラに伝えたという同僚の菅野智之(左)【写真:ロイター】

苦戦から一転、今季は好成績「今年は上手くゴロを打たせることができているよ」

 昨季終盤から中継ぎへの適応を見せ、今季はリリーフとしてシーズンをスタート。「メンタル面での変化はかなり大きかった。以前は中5日で先発していたけど、今は毎日準備しないといけない。中継ぎをやるから、ブルペンのチームメートや友人から取り組み方を一から教わったんだ。彼らがどういうことをやっているか学び、自分も取り入れるという柔軟な姿勢でいるんだ」。ナ・リーグ西地区最下位となっているロッキーズだが、ブルペンの中で存在感を放っている。米メディアの間では7月末のトレード期限を前に他球団が獲得するのではという報道も出始めるまでになった。

 今季は中継ぎ起用のフィット、そしてフォームの微調整もあり、フォーシームが大きな武器となっている。「コロラドで10年もプレーしている。今年は上手くゴロを打たせることができているよ。メカニックを大きく変えたわけではないけど、投げ方、腕の角度は調整した」。今季はアームアングを2°下げた41°となり、フォーシームは平均球速はここまで97.2マイル(約156.3キロ)と昨年平均よりも2.2マイル(約3.5キロ)上昇。スピン量の平均も80ほど増加して2304回転に。「Fastball Run Value」は昨年のMLBワーストクラス(1)だったのが今季は上位2%(98)に位置している。

 3月のWBCではベネズエラ代表として出場して優勝。準々決勝では前回王者の日本とも激突し、見事勝ち上がった。

「日本はとても素晴らしい野球をする。本当にレベルが高い。オオタニやスガノ、ササキのようなスター選手たちを見ればわかりますし、彼らはここでも素晴らしいシーズンを送っています。向こうの野球は本当に素晴らしいね」

 苦境を乗り越え、リリーフという新たな役割で見事な適応力を見せたセンザテーラ。ここからどのようなキャリアを描いていくのか、目が離せない。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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