MLB断念も…29歳右腕がリーグNo.1の「0.71」 復活した威力、「11.6」が示す進化

西武・高橋光成【写真:栗木一考】
西武・高橋光成【写真:栗木一考】

西武・高橋光成の球種別データに見た劇的進化

 メジャーの舞台でプレーする思いを封印した右腕が、覚醒の兆しを見せている。プロ12年目を迎えた西武・高橋光成投手。ここまで5勝2敗、防御率0.87と安定した投球を続けている。リーグトップクラスの成績を残す右腕を支えている“生命線”とは。20代最後のシーズンで起きている変化をデータで読み解く(数値は全て27日時点)。

 高橋は昨オフにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指したが、今年1月に西武残留を決断。決意を新たにしたシーズン、先発した7試合全てでクオリティスタートを達成している。また、1イニングに出す走者を示す「WHIP」は、リーグトップの0.71を記録。被打率はリーグ2位の.153と、ピンチの芽を未然に摘んでいる。

 セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータをもとに、球種別の「Pitch Value」(失点増減の合計値)を見ていくと、昨年から大幅に数値が改善された球種がある。今季平均球速150.7キロを計測しているストレートだ。

 過去2年はストレートの威力が失われていた。2024年の「Pitch Value」は「-6.9」、2025年は「-7.4」。ちなみに2年間の勝敗は8勝20戦と大きく負け越している。しかし今季、ストレートの「Pitch Value」は「4.2」。これは規定投球回に達している投手のなかで12球団3位で、数値上は昨年から「11.6」も良くなっている。

 また、メジャーで主流となっている2シームの「Pitch Value」を100球あたりで算出すると「0.47」。今季の数字だけ見ると驚きは少ないかもしれないが、2025年は「-14.59」だったため、比較することでその進化が見てとれる。

 3年連続Bクラスと低迷が続いていたチームも、今季は50試合を終えた時点でオリックスやソフトバンクと首位争いを展開している。エース格である高橋の復調が、快進撃を支える要因の1つになっているのは間違いないだろう。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~8』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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