阪神連敗を呼んだ“緩慢プレー”「完全にミス」 専門家が苦言を呈した大山の動き

阪神・藤川球児監督(中央)【写真:小林靖】
阪神・藤川球児監督(中央)【写真:小林靖】

失点につながった大山の一塁守備、野口寿浩氏が指摘

■日本ハム 5ー2 阪神(27日・甲子園)

 痛恨のミスが失点に直結してしまった。阪神は27日、甲子園での日本ハム戦に2-5で逆転負け。交流戦は連敗スタートとなった。現役時代に日本ハム、阪神など4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、1点ビハインドの7回、一塁正面のゴロを内野安打にした大山悠輔内野手の動きを問題視。「試合の流れに大きく影響したプレー」と苦言を呈した。

 2-3で迎えた7回1死一塁。マウンド上の及川は、五十幡を完全に詰まらせ、平凡な一ゴロに打ち取った。一塁ベースについていた大山は数歩前進して捕球。二塁を見たが封殺を諦めて一塁ベースを踏んでアウトにしようとした。だが、俊足の五十幡が先に一塁ベースを駆け抜けて内野安打。ピンチが広がり、この回2点を失って試合の流れも失った。

「記録は内野安打ですけど、あれは完全に大山のミスです。大山クラスの選手なら、五十幡の足が速いというのは分かっていないとダメ。(2024年の)プレミア12にも代走要員で選ばれている選手ですし、“ネクスト周東”と言われている。そういう選手を知らないとは言わせない、というところです」

 五十幡は50メートル走5秒6を記録したこともある球界屈指の韋駄天。昨年は25盗塁を決め、リーグ最多10本の三塁打を放っている。普段のペナントレースでは対戦がないとはいえ、情報として頭に入っていなければいけない。

「二塁をチェックするのは当たり前のこと。その後の行動を早くしないといけなかった。緩慢だったわけではないですけど、足が速い選手に対する対処をしなきゃいけないんです。あれがアウトなら、2死二塁で失点してなかった可能性が高い。そうなると勝つチャンスは十分に出てきていました」

 1点差のままだったら、相手投手の重圧も大きくなる。ましてや舞台は本拠地の甲子園。走者が出るだけで雰囲気が変わり、相手を追い詰め、阪神を後押しする。同点、逆転の可能性が3点差より大きかったのは間違いないだけに「日本ハムの投手はみんないいですけど、チャンスはあったはずです」と繰り返し強調した。

5回には2つの悪送球「打者から離れて投げないと」

 もう1つ守備のミスが出たのは1-2と逆転を許した5回2死一、三塁の場面。カウント1-0から一塁走者・水野がスタートを切り、投球を捕球した捕手・坂本は二塁に送球するそぶりを見せた。直後に三塁走者の加藤貴の動きを確認。飛び出しているのを見て三塁に投げたが、打席内のエドポロと接触して送球が左方向に大きくそれてしまった。

 悪送球で加藤貴が生還。このプレーについても「守備妨害に見えましたけど、審判が取らない限りは守備妨害ではない。三塁ベースでのプレーでミスが出れば、当たり前のように得点に直結する。できる限りなくさないといけない」と指摘した。

 坂本の悪送球はどうやれば防げたのか。野口氏は「とっさの判断だから難しいんですけど、打者から離れて投げないといけない」と説明する。相手が二盗を仕掛けてきた際、走者をアシストするために空振りして体勢を崩した打者と接触するケースもある。その時、捕手が二塁に送球しても刺せないと判断すると、わざと悪送球することがある。守備妨害が適用され、走者は一塁に戻されるからだ。

 ただし、バッターボックス内に打者が両足を残している場合は適用されないことが多い。この日の場面でも、空振りしたエドポロはバッターボックス内にいただけに「守備妨害といったらエドポロがかわいそうかもしれない。やっぱり捕手はよけながらのプレーをしなきゃいけないんでしょうね」と説明した。

「タイミングはアウトでした」と解説したように、坂本の判断が間違っていたわけではない。接触せずに送球できていれば、余計な失点は防げていたのである。この回は2死一、二塁から加藤貴が中前に同点打。中堅・高寺の本塁への返球が悪送球になるミスもあった。その間に加藤貴が二塁に進塁。続く水野の左前適時打で三塁に進んでいたことも、結果的に新たなミスを誘発するきっかけになった。

 3つの守備のミスが全て失点に結びついて2連敗。西武と引き分けたヤクルトに、首位に並ばれた。だが、慌てる必要はない。「リーグ戦でうまく野球していた時を思い出して、普通のことを普通にやったら大丈夫。何の問題もない」。切り替えて普段通りのプレーに徹すれば、再びチームは活気づくはずである。

【実際の様子】阪神敗退につながった大山の“行動” 専門家が苦言…予想を超えた五十幡のスピード

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