7勝目逃した大谷翔平、専門家は25歳捕手に苦言「下手ですよね」 如実に表れた正捕手との“違い”

パイレーツ戦に先発したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】
パイレーツ戦に先発したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】

普段との投球の違い…新井宏昌氏がカーブの制球を指摘

【MLB】パイレーツ 9ー8 ドジャース(日本時間11日・ピッツバーグ)

 好投が白星に結びつかなかった。ドジャースの大谷翔平投手は10日(日本時間11日)、敵地で行われたパイレーツ戦に「1番・投手兼指名打者」で出場。投手としては6回2/3を投げて6安打、4四死球6奪三振4失点(自責3)の内容で、防御率は1.06となった。リードを保ったまま降板したが、救援陣が崩れて逆転負け。7勝目はお預けとなった。

 6回までは4安打1失点。6-1の7回、球数が90球を超え2死一、二塁のピンチを招くと、ロウに右翼線2点二塁打を浴びたところでマウンドを降りた。さらに味方の失策もあり今季ワーストの4失点。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLBにも詳しい野球評論家・新井宏昌氏は「今日に関してはカーブの制球が良くなかった」と指摘した。

「大谷選手に対して、対戦相手はフォーシームとスイーパーというイメージがあると思います。これまでは時折、カーブを投げて簡単にストライクを取ることができていました。追い込んでからでも予期せぬカーブで空振りや見逃しの三振を取ることもあります。投球のアクセントになっているんですけど、この試合、カーブでストライクが取れたのは1球だけでした」

 球速が遅いカーブは、緩急がつけられ、大谷の武器の1つである。ただ、この試合は制球がいまひとつ。初回無死一塁、ロウに初球カーブを投じたが外れてボール。結局、四球を与えるなど、立ち上がりから微妙な制球に苦しむ場面が見られた。4回、コーリハンに直球を捉えられソロ本塁打を被弾。それでも6回まではその1失点で踏ん張った。

 だが7回、先頭のコーリハンをカウント2-2と追い込んだ後の5球目のカーブがボールになりフルカウント。ファウル2球を挟んで8球目に再びカーブを投じたが外角に外れて四球となった。続くマンガムは0-1からのカーブでボテボテの当たりだったが飛んだコースがよく、投手への内野安打に。そこから2者連続三振で2死までこぎつけたが、ロウに3-0から痛打されてしまった。

行わなかったABSチャレンジ「スミス選手と違うところ」

「指のマメも気にしていましたし、おそらく擦りむけていると思います。だからスプリットも投げづらい状態だった可能性があります。普段はもっとストライクが取れるカーブもなかなか決まらない。そこでカウントを整えられずに苦しんでいる場面があり、球数も増えました。この回を投げ切れば規定投球回に達していましたし、もったいなかったですね」

 さらに新井氏は、ロウに2点二塁打を許す直前の捕手・ラッシングの判断に注目。初球、3球目はストライクのようにも見えたが、ABSチャレンジを行わなかった。大谷とは今季初のバッテリー。結果的にカウントを悪くして痛打されており「あそこでチャレンジしていれば違った結果になった可能性があります」と指摘した。

 投手有利のカウントに持ち込めていれば、ピンチを切り抜けて規定投球回に達し、防御率も0点台をキープできていた可能性がある。「必要がないところでチャレンジして権利を失ったり、ラッシング選手はチャレンジが下手ですよね。そこが(普段バッテリーを組む)スミス選手と違うところかなと思います」と苦言を呈した。

 勝利投手の権利を持って救援陣に後を託しており、大谷は責められる内容ではない。「カーブが入っていれば、もっと楽な投球ができていたと思います。そこが修正できれば球種のバリエーションが増える。指の状態が回復すれば防御率0点台に戻って、責任イニングをずっと投げ切れると思います」。勝利を逃したことで、一抹の不安が目についたが、それは大谷が安定しているからこそである。次回登板では、また快投を披露するはずだ。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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