大谷翔平、CY賞への現実度 ライバルとの“明確な差”…逆転に残されたわずかな道

レイズ戦に先発したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】
レイズ戦に先発したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】

大谷は直近2登板で7失点、隠れ防御率1位から陥落

【MLB】ドジャース 5ー4 レイズ(日本時間18日・ロサンゼルス)

 ドジャース・大谷翔平投手は17日(日本時間18日)、本拠地レイズ戦に「1番・投手」で先発出場し、6回7安打4失点で今季7勝目を挙げた。もっとも、失点数は今季ワースト。防御率も1.47に後退した。今シーズンはサイ・ヤング賞も狙える快投を連発しているが、果たして現実度はどれほどあるだろうか。

 大谷にとって、何よりも障壁になるのがイニング数だ。今季は3年ぶりに二刀流で開幕したが“5番手”としてスタートした。もちろん、打者での出場を続けるための判断だが、先発ローテーションの後半のため、必然的に登板試合数が少なくなる。

 それでも初登板から5試合連続で6イニング以上を投げ、試合終了時点では毎回、規定投球回をクリアして防御率トップに立っていたものの、数日後には規定を外れている。痛かったのが5月20日(同21日)のパドレス戦で5イニングにとどまったこと。その後はわずかに規定投球回に乗らず、“隠れ防御率1位”の状態が続いていた。

 しかし、6月になって試合中に右手中指のマメが潰れることが増え、10日(同11日)のパイレーツ戦では6回2/3で6安打4失点(自責3)で今季初めて防御率1点台(1.06)に乗った。そしてこの日もワーストの4失点で1.47に数字が悪化している。依然として優秀な成績だが、その間にライバルたちが一気に状態を上げている。

 6月中旬時点で最有力と言えるのが、ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキーだ。メジャー1年目から圧倒的球速で怪物と評された24歳は、今季投球フォームを修正して飛躍。5月1日(同2日)から8先発は7勝1敗、54回1/3で自責1の防御率0.17、80奪三振と驚異的な数字を残している。特に6月2日(同3日)のブルワーズ戦は初回に先発投手史上最速の104.5マイル(約168.2キロ)を計測。9回95球を投げて1安打無失点、無四球15奪三振と歴史的投球を披露した。

 ミジオロウスキーとハイレベルな争いを演じているのが、フィリーズのクリストファー・サンチェスだ。昨年もサイ・ヤング賞投票2位に入った左腕は、4月30日(同5月1日)の初回から連続無失点を続け、6月3日(同4日)のパドレス戦の7回に失点するまで「50回2/3」を無失点。史上5人目の大台&左腕史上最長記録を更新した。

ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー【写真:ロイター】
ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー【写真:ロイター】

WARではサンチェス優勢…ミジオロウスキーも圧倒的インパクト

 3人の成績を比較すると、大谷の現在地が見えてくる(6月18日時点)。

〇防御率
・ミジオロウスキー(1.34) 大谷(1.47※) サンチェス(1.82)

〇イニング数
・サンチェス(99回) ミジオロウスキー(87回) 大谷(73回2/3)

〇勝利数
・ミジオロウスキー(8) サンチェス(8) 大谷(7)

〇奪三振数
・ミジオロウスキー(131) サンチェス(116) 大谷(78)

〇WAR(ファングラフス版)
・ミジオロウスキー(3.9) サンチェス(3.7) 大谷(2.3)

〇WAR(ベースボール・リファレンス版)
・サンチェス(5.0) ミジオロウスキー(3.9) 大谷(2.9)

 防御率だけを見れば、大谷は依然としてリーグ最高クラスの成績を残している。しかし、サイ・ヤング賞争いは防御率だけで決まるものではない。投球回や奪三振数、そしてWARなど、シーズンを通じた貢献度も重要な判断材料となる。その観点で見ると、やはり大谷の稼働量の少なさは否めない。

 二刀流を続けながらのシーズンである以上、他のエース級投手と同じペースでイニングを積み上げるのは簡単ではない。現時点ではミジオロウスキー、サンチェスの両投手が一歩リードしている状況と言えるだろう。もちろん、シーズンはまだ半分近くを残している。今後も安定して長いイニングを投げ続け、再び防御率を押し下げることができれば評価は変わってくる。ただ、現状の数字を見る限り、大谷のサイ・ヤング賞獲得は決して既定路線ではない。

 むしろ、圧倒的な防御率を維持しながら規定投球回をクリアできるかどうか。その高いハードルを越えられるかが、悲願達成への最大の焦点になりそうだ。

(Full-Count編集部)

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