“常勝軍団”を象徴する「5/8」 藤川流マネジメント…2軍監督が明かす「強さの源」

阪神ナイン【写真:小林靖】
阪神ナイン【写真:小林靖】

平田2軍監督に直撃「今のタイガースの土台」

 2026年シーズンもいよいよ正念場となる夏場を迎える。リーグ2連覇を狙う阪神は、就任2年目の藤川球児監督のもと好位置につけている。1軍の好調は2軍の育成もあってこそ。1997年の吉田義男監督以降、阪神のコーチなど指導者を務めて26年目を迎え、2025年から4度目のファームを指揮している平田勝男2軍監督に、藤川阪神の「強さの理由」を聞いた。【聞き手・田中亜里沙、文・喜岡桜】

 春季キャンプ中には石井大智投手が左アキレス腱断裂、ドラフト1位の立石正広内野手(創価大)が怪我で離脱をするなどネガティブなニュースもあったが、安定した投手力と、圧倒的な攻撃力で開幕から好調。6月22日時点でセ・リーグ首位に立っており、チーム打率.249、253得点はともにリーグトップをマークしている。

 平田2軍監督が「起爆剤になっているよね」と名を挙げたのが、5月19日から1軍に合流していた、2025年ドラフト入団の世代トップと称された立石だ。6月17日に1軍登録を抹消されたが、初出場から5試合連続ヒットを記録するなど、非凡な才能を発揮。「将来的に中心になるであろう選手が、しっかりと仕事をしているというところが、今の強さを支えていると思いますよね」と分析した。新人に限らず、その働きは1軍レギュラーにもあてはまる。

「タイガースはピッチャーを除くと、(主力の)野手8人のうち5人がドラフト1位で指名されています。今はリハビリ中ですが近本光司(4月26日に死球で負傷)、森下翔太、佐藤輝明、大山悠輔、立石。そういうチームは他にない。くじ運など色々ありますが、ドラフト戦略が大きいですよね。今のタイガースの土台であり、1軍の強さの源です」

取材に応じた平田勝男2軍監督【写真:喜岡桜】
取材に応じた平田勝男2軍監督【写真:喜岡桜】

ベテランと若手にある“差”を埋める藤川流マネジメント

 また、若手を刺激する「藤川監督のマネジメント」が、1軍と2軍に“良い風”を吹かせているという。大卒プロ2年目の福島圭音外野手と地域リーグ(旧独立リーグ)出身の嶋村麟士朗捕手が支配下登録され、さっそく1軍を経験。投手陣では「門別啓人を中継ぎで投げさせたり、3年目の椎葉剛、2年目の工藤泰成を使ったり、木下里都を5月28日の日本ハム戦で先発させたり、いろんなことを試している」と例を挙げた。

「藤川監督は、若い選手の成績がちょっと良かったら、1軍の空気を吸わせて、1軍の選手たちのモチベーションなどを経験させたいと思っているんです。もちろん戦力として1軍へ呼ぶのですが、そういうこともプラスアルファで考えて、これからタイガースを背負っていくであろうファームの若い子たちに経験させようとしています」

 逆にベテランが2軍へいくこともある。その動きも「若い選手には刺激になり、見本にもなっている」と平田2軍監督は力説する。1軍経験が豊富な選手に比べれば、ファームの選手は「やっていないわけじゃない」とするものの、プロとしてどう一日を過ごすべきかなどが不明確な部分もあり、モチベーション、考え方、自主性などに差があると指摘した。

「今やらなきゃいけないことを、一流の選手たちは言わなくてもやるんです。それは経験と実績があるからそういう風になるんですが、その差がすごくある」

 ベテランと若手が1軍、2軍それぞれで同じ試合に臨むことで、その“ギャップ”は埋まっていく。無念の2軍降格を味わった立石も、1軍で吸った空気、涙で目を赤くしたほどの悔しさにより、さらにスケールの大きい選手になることが期待される。藤川監督よる全体のベースアップが続くなか、シーズン後半もさらに勢いが増すかもしれない。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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