「落合さんも絶賛」する阪神ドラ1の“現在地” 打率.202&2軍降格も…秘める大器の資質

阪神・立石正広【写真:喜岡桜】
阪神・立石正広【写真:喜岡桜】

平田2軍監督も太鼓判「バットの遠心力などの使い方がうまい」

 2025年のドラフト会議で3球団競合の末、阪神に入団した立石正広内野手(創価大)が1軍初出場から5試合連続安打を記録し、黄金ルーキーの片鱗をうかがわせた。しかし、17日には2軍へ降格。2025年から4度目のファームの指揮を執り、これまで多くの若虎を見てきた平田勝男2軍監督は、ドラ1ルーキーをどうみているのか――。イメージが重なる選手として挙がった名前は、日本球界のレジェンドだった。【聞き手・田中亜里沙、文・喜岡桜】

「彼は創価大で好成績を残して、侍ジャパン大学代表にも選ばれたことで、アマチュア時代に場数を踏んでいます。性格的にも緊張して舞い上がるというタイプではないんです。周囲の環境に左右されない感じなんです」

 アマチュア時代も早々に頭角を現していた。高川学園高(山口)に在籍していた2021年夏、当時まだ高校3年ながら甲子園のバックスクリーンへ本塁打を叩きこんだ。創価大では2年時の春季リーグで打率.500、5本塁打、14打点を記録して3冠王となり、その後のリーグ戦でも数多くのタイトルを獲得。4年時には主将を務め、本塁打、打点の2冠と最高殊勲選手賞を受賞し、輝かしい活躍から世代ナンバーワンのドラフト注目選手と称された。

 ファームでの初アーチは3月19日、オリックス戦で満塁弾。さらに1軍昇格後、5月24日の巨人戦では、竹丸和幸投手のストレートを東京ドームの右中間中段へ放り込んだ。平田2軍監督は「バットの遠心力などの使い方がうまい」と分析する。

 超満員の甲子園球場でも、新人離れしたメンタルの強さで期待に応えようとしていた立石。だが、16日には16打席連続無安打に倒れ、2軍降格が決まった。プロの洗礼を受けた立石だが、ストロングポイントを平田2軍監督は「まずは『積極性』。それと初球から振っていく『準備』。この2つがそろっている選手は精神的に強いと言えます」と解説した。

取材に応じた平田勝男2軍監督【写真:喜岡桜】
取材に応じた平田勝男2軍監督【写真:喜岡桜】

掛布、真弓、岡田らと「また違うタイプ」

 さらに「彼はタイミングの取り方もうまい。右方向にも打てますしね。(春先は)下半身の怪我がありましたが状態はよくなっています。もっと仕上がってくれば、これから左中間、引っ張る打球も、だんだん角度がついてくると思いますし、もっと振れるようになると思います」。ロマン溢れる打撃が注目されるが、足も速く、肩も強い。すぐに結果は出ずとも「3拍子そろった選手になるはず」と期待を込めた。

 その将来性はどれほど大きいものなのか。立石のバッティングを「掛布雅之さんや、真弓明信さんや、岡田彰布さんと比較されることが多いですが、また違うタイプですよね」。虎のレジェンドたちとはまた異なる可能性も感じている。

「右方向への長打力っていうのは。落合さんも(テレビ番組で)絶賛していたでしょ。これだけ打てるというのは、自分と照らし合わしているところもあるんじゃないか」。立石の逆方向への鋭い打球、バットコントロールの精度は、NPB史上初となる3度の3冠王を獲った落合博満氏とタイプが似ていると説明した。

 1軍登録を17日に抹消されたが、平田2軍監督は「1軍でないと経験できないことがあります。そういうことを感じたと思うので、それをファームの試合を通して磨きながら、また1軍にチャレンジしてほしい」。これから成長していくプロ1年目の強打者を温かく見守っていた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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