2人の右腕が残すリーグ屈指の“0.89&1.23” 快進撃を生む原動力…西武Vのカギを握る先発陣

西武の高橋光成(左)と隅田知一郎【写真:加治屋友輝】
西武の高橋光成(左)と隅田知一郎【写真:加治屋友輝】

西武先発陣をけん引する高橋光成と平良海馬

 西武が球団初の交流戦優勝を果たし、パ・リーグ首位に立つ快進撃を見せている。昨年までエースとして活躍した今井達也投手が抜けた影響を感じさせない先発陣の貢献度が、好成績の大きな要因の一つだ。ここではデータをもとに各投手の特徴を紹介する(成績は6月23日時点のもの)。

 高橋光成投手は11試合の先発で7勝3敗、防御率1.23と抜群の安定感を誇る。勝利数はリーグ2位タイ、防御率はリーグ2位だ。キャリア通算の奪三振率は6.57と多くの三振を奪うタイプではないが、今季はそれを上回る7.17を記録している。

 さらに制球力も向上した。与四球率は2.24と、キャリア平均3.12を大きく下回っている。それに伴い、三振を四球で割って求める「K/BB」も、優秀とされる3.50に迫る3.20をマーク。リーグ4位タイの投球回を消化しながら、すでに3度の完投を記録している点も驚異的だ。

 今季から先発に再転向した平良海馬投手は、ここまでリーグトップの防御率0.89を記録。WHIPも0.83と高橋の0.85に匹敵し、5勝1敗、勝率.833と高い数字を残している。最多セーブを獲得した昨季とは異なる役割で、先発タイトルの獲得も射程圏内に捉えている。

 奪三振率は8.37とキャリア平均(9.49)よりはやや低いが、先発としては十分な水準だ。一方で与四球率は3.42と、キャリア平均の3.62に比べ改善が見られる。三振を奪いながら大崩れはしないという平良の特徴が、今季も発揮されている。

左腕エース隅田、開幕投手を務めた渡邉も安定した投球を披露

 左腕の隅田知一郎投手もここまで6勝を挙げ、自身初の2桁勝利を記録した昨季以上の勢いを見せる。チームトップの81回1/3を投げ、防御率は2.10。WBCによる疲労も懸念されたが、今季も「左のエース」としてチームを支えている。

 奪三振率8.41は平良を凌ぎ、与四球率は1.33と3年連続の1点台を記録。その結果、K/BBは6.33と極めて高い水準に達している。WHIP0.93が示す通り、1イニングに許す走者の平均は1人以下と、投手としての能力の高さが各指標にも表れている。

 自身初の開幕投手を務めた渡邉勇太朗投手は、11試合で73回1/3を投げ、防御率3.07を記録。4勝3敗と勝ち星こそ伸び悩むが、WHIP1.08と走者を背負う場面は少ない。昨季に続き、先発陣の一角として安定した投球を続けている。

 キャリア通算の奪三振率は5.39と控えめだが、与四球率はキャリア平均1.24と非常に優れており、「打たせて取る」投球を持ち味にしている。今季は与四球率2.70とやや数字を落としているが、奪三振率はキャリア平均を大きく超える6.14を記録。投球スタイルに変化が見受けられる点も興味深い。

 2024年新人王の武内夏暉投手は、昨季は故障に苦しんだが、今季は10試合で5勝2敗、防御率2.67。奪三振率は8.16とキャリアベストの数字を残している。与四球率も1.63と昨季の2.70から改善され、生命線の一つである制球力が復活。K/BBも5.00と昨季の2.42から大幅に改善され、一昨年の新人王が完全復活への道のりを着実に歩んでいる。

先発陣が安定した成績を残せば、リーグ優勝も見えてくる

 さらに若手の台頭も心強い。22歳の菅井信也投手は、5月までに7試合に先発し、防御率3.05と一定の成績を残した。今季途中に支配下へ昇格した佐藤爽投手も、5月1日のロッテ戦で7回無失点と好投し、プロ初登板初勝利を飾るなど4試合で防御率3.00と将来性を感じさせる投球を見せている。

 高橋光、平良、隅田、渡邉、武内が、いずれも優秀な成績で安定して試合を作っている点は頼もしい限り。特に隅田、武内、菅井と左の先発が3枚存在するのも大きな強みといえる。先発陣が今後も高頻度で試合を作り続けることができれば、雌伏の時を経て、西武の復権がいよいよ現実味を帯びてきそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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