“鳥谷2世”20歳は「苦労している」 2軍監督が語る甲子園ショートの使命…課題の「15」

プロ3年目の阪神・山田脩也…課題と向き合う日々
大成する前には必ず苦しい時期がある。仙台育英高から2023年ドラフト3位で阪神へ入団した山田脩也内野手は、高校2年の2022年夏に遊撃手として東北勢初の日本一を達成すると、翌夏も主将を務めて準優勝。さらに侍ジャパンのU18メンバーに選ばれ世界一も経験した。将来性を高く評価され入団時は「鳥谷2世」とも言われた20歳。1軍デビューへ向け、平田勝男2軍監督のもとで腕を磨いている。【聞き手・田中亜里沙、構成・喜岡さくら】
現在の山田について平田2軍監督は「苦労しているね」。1年目は2軍で102試合を経験し、2年目の昨季もチームトップの100試合に出場した。攻撃では打率.198ながら36打点をあげ、35個の四球を選んだが、高く評価された守備は21失策。今シーズンは52試合で15失策(6月24日試合前時点)と課題が明確になっている。
「エラーがもったいないというか。エラーの仕方が悪いんです」
平田2軍監督自身も明大を経て1982年から1994年まで遊撃手としてプレー。1984年からは4年連続でゴールデン・グラブ賞を獲得した。だからこそ同じポジションの選手には特に「厳しいですよ」とニヤリと笑った。
現役時代、コーチなどを務めた指導者時代を合わせると、伝統の縦縞のユニホームを着るのも2026年シーズンで41年目になる。長年の経験から、野手について「選手によってスタイルが異なりますが、正確なキャッチ、速いステップ、強い送球の3つを合わせたクイック&スローという魅力があります」と語る。その上で山田の現状を分析した。

「甲子園の大観衆の前で、ショートは見せ場なんです」
「(2軍監督に就任した)2025年から山田のプレースタイルを見ていたら、速く、正確に、強くやりたいと意識していますね。でも、速くやろうとするあまり、イージーな打球から目を切るのも早くなってしまっているんです」
“悪癖”が失策に影響しているという。平田2軍監督は「(焦らないように)ドシッと捕って、どっこいしょ!と投げさせることは彼のプレースタイルには合わないし、持ち味を消してしまう」。コーチ陣による「選手に応じた指導」と2軍での実戦を通して、アウトを確実に取るための突破口に自ら辿り着くことを願っている。
「子供たちが見て『うわ!あんなショートになりたい!』っていう選手にならないと。タイガースのショートは歴代の名手が出場している場所なんです。鳥谷(敬)にしても、久慈(照嘉)にしても。甲子園の大観衆の前で、ショートは見せ場なんです。ピンチだって見せ場にしないといけません。そうなるためには練習をしないといけないんです」
山田はエラーを繰り返さないための助言を意識しすぎるゆえに体が硬くなることもあった。脱力するようにアドバイスを受けても、上手くいかないもことも多い。「そんな風にいろんな失敗を糧にしてね、成長していかなきゃいけない状態です」と平田2軍監督。3年目の20歳が、甲子園を沸かせるような“絶対的ショート”になる日を楽しみに指導を続けていく。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)