“大谷式FA”に待った MLB機構が大胆提案…球界一変させる新制度、気になる行方

30歳以上の選手はFA取得の保留期間が6年から5年に短縮へ
メジャーリーグ機構は25日(日本時間26日)、選手会に対して提示した新たな労使協定の提案内容を明らかにした。30歳以上の選手のフリーエージェント(FA)権取得期間の短縮や最低年俸の歴史的な引き上げ、後払い契約の撤廃など、制度の大幅な見直しが含まれている。球界の競争バランスに対処するための、総年俸の格差是正が主な目的となっている。
大きな変革の1つがFA制度の見直しといえる。30歳以上の選手について、FA資格を得るための保留期間が6年から5年に短縮される。1976年に保留制度が導入されて以来、6年を下回る初めての事態となる。この規定に基づくと、現状のロースターで354人の選手が1年早くFAに到達すると予測されている。
さらに、選手側がFAの足かせと見なしていたクオリファイング・オファー(QO)制度の撤廃も提案された。1981年のストライキの原因ともなった問題であり、1976年の実施以来初めてドラフト指名権による補償が削除される。前回のオフシーズンでは13人が同オファーを受け取り、4人が受け入れていたが、今後はより自由な移籍市場が形成される可能性がある。
若手選手の待遇改善にも踏み込んだ。サービスタイムが2年以上の選手に対しての最低年俸は2027年に78万ドルから100万ドルへと28%増加し、前年比で球界史上における過去最大の引き上げ幅となる。現在の労使協定で導入された年俸調停前ボーナスプールも、5000万ドルから6500万ドルへと30%増額となる。
スター選手の流出を防ぐため、NBAに類似した「コーナーストーン・プレイヤー」への優遇措置も盛り込まれた。他球団からFA選手を獲得するチームは最大5年契約に制限される一方、自球団の選手と再契約する場合は最大6年契約が可能となる。
契約面では「後払い」の撤廃が求められている。いかなる新しい契約にも後払いを組み込むことが認められなくなるという。ただし、すでに後払いを含んでいる現在の契約については、この変更による影響を受けない。
これらの提案は、サラリーキャップとフロアを確立し、競争環境を公平にするという目標の一環としてなされた。MLBの報道担当者は「最大の課題は、あまりにも多くのファンから自分のチームがワールドシリーズ制覇を争う希望を奪っている、総年俸の格差を是正することだ」と声明を発表している。
もっとも、球界の在り方を根本から変える提案であり、選手会は猛反発している。仮に上記の形が採用されることになれば、2023年オフにFAとなり、当時スポーツ史上最高額となる10年7億ドル(当時1014億円)でドジャースに移籍した大谷翔平投手のケースは生まれない。大谷は97%が後払いという形だったが、ドジャースは同じような契約形態を多くの選手に取り入れており、契約交渉そのものに大きな影響を及ぼすことになる。
(Full-Count編集部)