山本由伸が大事にする“決まり事” 今季もすでに9勝…右腕に息づく哲学「よくあること」

「予定通りに行かないのがメジャーの世界ではよくあること」
【MLB】ドジャース 3ー0 パドレス(日本時間5日・ロサンゼルス)
限界を超えた力投が、体力の礎となっている。ドジャースの山本由伸投手は4日(日本時間5日)、本拠地でのパドレス戦に先発登板し、7回100球3安打無失点の投球で今季9勝目をマークした。昨季ワールドシリーズで3勝を挙げ、MVPを獲得した右腕だが、疲労の色を見せない。
昨季はレギュラーシーズン30試合に登板して12勝8敗、防御率2.49の成績を残した。ポストシーズンでもチームの勝利に貢献。先発の柱として駆け抜けた1年だった。今季も“ギア”を緩めない。ここまで16試合に登板して9勝5敗、防御率2.49。球宴前の2桁勝利も見えている。
順調に成績を残す27歳は、調整方法を微妙に変えている。移動時間の長い米国生活では“決まり事”を作らない。先発登板日の2日前にブルペン投球を行うのが通例だったが、3日前と1日前に分けて入るパターンも持つ。
休養日がうまく作れない日程では、午前中を完全なOFFにしてしまう。目は覚めるものの、寝室から出ることなく、心と体を“リセット”する日も作っている。「予定通りに行かないのがメジャーの世界ではよくあること。こだわりを持つことは大切ですけど、そこに集中してしまうのもあまり良くないと思ったんです」。登板翌日は主に休養に充て、2日後にはジャベリックスローなどで調整を施す。基本的な流れを軸に持ち、臨機応変ながら“ブレない”1週間を送る。
「どれだけ(結果が)良くても1回切り替えて。ゼロというか、また新しく次の試合に向かっていく。そういう感じで1週間を過ごしているので、そこは特に変わりないですね」
柔軟な発想はグラウンドを離れても生きる。昨オフ、日本に帰国。古巣・オリックスナインらと久々に再会し、会食でリフレッシュした。時計の針が12時に向かいそうな帰宅後……。オンラインでの英会話教室に挑む日々だった。「1時間は、どこに置いても1時間なので。楽しいご飯だけで1日を終わるのは少し違うくないですか?」。自宅でパソコン画面と向き合う日々が、ドジャースナインとのコミュニケーション向上に繋がっている。
笑顔の奥には壮絶なるストイックさが隠れる。「今の自分(の姿)は2年後に現れると思ってます」。メジャー3年目。移籍1年目は怪我を負い、リハビリ期間中に「なんでアメリカで生きているんだろう?」とまで考えた。あれから2年。見上げた青空に誓った夢……。自由の国で、最後までコミットする。
(真柴健 / Ken Mashiba)