「いつか絶対に日本で」 センザテーラが魅了される理由…心に響いた菅野智之からの言葉、オリ助っ人との交流

  • 小谷真弥
    小谷真弥 2026.07.09
  • MLB
ロッキーズ一筋10年のアントニオ・センザテーラ【写真:荒川祐史】ロッキーズ一筋10年のアントニオ・センザテーラ【写真:荒川祐史】

ロッキーズ一筋センザテーラは日本に親近感「スガノには毎日のように話しかけています」

 ロッキーズ一筋10年のアントニオ・センザテーラ投手が今、熱い視線を注いでいる国がある。海を越えた遥か東の島国、日本だ。これほどまでに日本に親近感を抱き、その野球文化にリサーチを重ねている背景には、ある「特別な出会い」と、同郷の戦友たちからの言葉があった。

 大きなきっかけとなったのが、今シーズンからロッキーズに加わり、チームメートとなった菅野智之投手の存在だ。日本球界で数々の栄冠を手にし、絶対的なエースとして君臨してきた菅野に対し、センザテーラはリスペクトの念を隠さない。

「スガノには、本当に毎日のように話しかけています。彼が日本でどれほど素晴らしい実績を残し、どれほど偉大なピッチャーだったかはよく知っていますから。私は、野球に関しては常に貪欲でありたいと思っています。誰からでも学び、自分をより高いレベルへと引き上げたい」

菅野智之の存在は大きな支えとなっている【写真:ロイター】菅野智之の存在は大きな支えとなっている【写真:ロイター】

「だから、彼が持っている経験やピッチングの技術について、いつもアドバイスを求めているんです。スガノは本当にナイスガイで、信じられないほど素晴らしいチームメートです。私は彼のことを心から慕っていますし、彼がチームにいてくれて本当に良かったと感じています」

 ふたりの会話は、技術論だけにとどまらない。ある日、菅野から「日本のファンは、みんな君のことが好きだし、すごく注目しているよ」と日本国内でも人気が高いことを教えられた時、センザテーラは驚きと喜びを爆発させたという。

日本国内での狂気的な人気「遠い日本の地で自分の投球を見て応援してくれるファンがいるなんて」

「スガノにそう言われた時は、『まさか、冗談だろう!』って返したんです(笑)。でも、『本当だよ』と言ってくれて、本当に嬉しかった。遠い日本の地で、自分のピッチングを見て応援してくれているファンがいるなんて、これ以上の喜びはありません。いつか絶対に日本に行って、現地のファンのみんなに直接会って、感謝を伝えたいという夢ができました」

 センザテーラの日本への興味は、菅野との交流だけで終わらない。

 WBCベネズエラ代表のチームメートで、オリックスでクローザーとして活躍している同郷のベネズエラ人右腕、アンドレス・マチャドとも頻繁に連絡を取り合い、日本のリアルな野球環境について“情報収集”を行っている。

 メジャーデビューした2017年からロッキーズ一筋10年。今季は2021年オフに結んだ5年総額5050万ドル(当時58億円)の契約最終年だ。ここまで27試合登板で8勝0敗、防御率2.93の好成績。メジャー第一線でプレーする実力を持っているが、海の向こうの野球にも興味を持っている。

「マチャドのことは昔から大好きで、彼が日本でスターになっているのは本当に素晴らしいことだと思います。彼に『日本の野球や生活はどうなんだ?』と詳しく聞いたことがあるんです。そうしたら、彼は『日本の野球は本当に素晴らしいよ。何よりファンが信じられないほど温かく、自分たちを愛してくれる。それに、リーグ全体のレベルがものすごく高くて、常にシビアで競争力のある野球が行われているんだ』と熱っぽく語ってくれました」

オリックスのアンドレス・マチャドからも日本の情報を集めていた【写真:栗木一考】オリックスのアンドレス・マチャドからも日本の情報を集めていた【写真:栗木一考】

野球だけじゃない…センザテーラが日本に興味を持つ理由

「WBCの舞台を見ても、日本は常に世界のトップにいますし、メジャーリーグに移籍してくる日本人選手たちを見ても、みんな例外なくスーパースターばかりです。日本の野球が高いレベルにあることは疑いようがありません。もし将来チャンスがあって、いつかあの日本プロ野球(NPB)の舞台でプレーすることができたら、それは本当に素晴らしい、エキサイティングな経験になるだろうと思っています」

 さらに、センザテーラを惹きつけるのは野球だけではない。実は「日本食フリーク」でもあるのだ。

「日本の食べ物は本当に最高です。特に寿司が大好きで、お気に入りのメニューがたくさんあります。私はもともと魚が大好きなので、寿司は私にとって完璧な食事なんです。マグロの握りも素晴らしいし、クリスピー・ツナ・ライスなんかもよく食べます。日本の食文化は、素材の新鮮さがそのまま伝わってくるところが良いですよね。本当にフレッシュで、身体にも良い。まだ日本に行ったことはないですが、本場の寿司を食べるのも今から楽しみです」

「日本の『納豆』ですか? それはまだ試したことがないですね……。スガノやマチャドから『少しネバネバしていて独特な食べ物だよ』と聞きました。食べたことはないけれど、すごくユニークで面白そうだから、日本に行ったらぜひ一度チャレンジしてみたいですね(笑)」

 グラウンド上での高い競争力、ファンの熱い情熱、そして世界を魅了する食文化。センザテーラが語る日本への言葉には、単なる社交辞令を超えた、本物の敬意と好奇心が溢れている。コロラドの地で躍動するベネズエラ人右腕が、日本のマウンドでファンを熱狂させる日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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