ロッテ・藤原恭大が語る“現在地”「タイトルを獲れる」 四死球が激増したワケ…8年目で実感する成長「土台はできた」

リードオフマンとしてロッテをけん引する藤原恭大【写真:栗木一考】リードオフマンとしてロッテをけん引する藤原恭大【写真:栗木一考】

5月10日の鷹戦でフェンス激突、右肩亜脱臼で離脱→6月30日の楽天戦で復帰

 リードオフマンが頼もしさを増している。ロッテ・藤原恭大外野手は12日、ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に「1番・中堅」で先発出場。初回は捉えた当たりも遊ゴロとなるなど5打数無安打に終わった。それでも今季は同日現在で打率.286と上々の成績。得点圏打率.432など勝負強い打撃を披露している。

「打撃の調子はあんまり良くないです。まあ、良くなったり悪くなったり、ちょっと波はありますけど、なんとか修正して、なんとか耐えているかなと思います。数字的にはボチボチですけど、まだまだ上がるかなと思っています。今週(打率)3割に乗せようという意識だったんですけど、ある程度の形はできています。イメージと感覚、結果をすり合わせていきたい」

 2018年ドラフトで3球団1位競合の末にロッテ入団。高卒1年目の2019年開幕戦でスタメン出場するなど高い期待を受けてきたが、故障が多くなかなかレギュラーに定着できなかった。そんな中、打撃スタイルを見直した昨年は自己最多107試合に出場し、初の規定打席に到達。リーグ10位の打率.271を記録した。

 確かな手応えを得て迎えた8年目。今季の開幕直後は2番打者として活躍が続き、4月15日の日本ハム戦(ZOZOマリン)から1番に定着した。だが、5月10日のソフトバンク戦(みずほPayPayドーム)の守備で、打球を追った際に右翼フェンスに激突。「右肩関節前方亜脱臼」で離脱を余儀なくされた。

 打撃好調の中で守備中に起こったまさかのアクシデント。打球を捕れるかどうかのギリギリの果敢なプレーだけに、怪我をしたことを責めることはできない。藤原も「全力プレーしないといけないところだったかなと思います」とプレー自体は悔いていない。

「行かないといけないところでもあり、行ったらいけないところもあると思う。そこは難しいですけど、怪我したらいけないプレーだったとも思うので、そこはうまいこと調整しながらやっていきたい」。全力プレーが身上だが、ある程度の冷静さも必要。年間通してプレーするのが「一番だと思う」と言い、「目の前のプレーに全力になりすぎないように、年間通してやっていければいいなと思っています」と続けた。

 6月30日の楽天戦(楽天モバイル)で復帰すると、再びリードオフマンとしてけん引。7月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)では復帰後初の猛打賞となる4安打をマークした。

目指すは初の打率3割【写真:栗木一考】目指すは初の打率3割【写真:栗木一考】

こだわる出塁率…規定打席未達もリーグ2位相当でタイトル視野

 投高打低の現代野球で、初の打率3割を狙う。「1番バッターで今の時代は結構難しいと思いますけど、3割打てれば物凄く強いチームになるかなと思います。(チームにも)求められていると思うので目標にしていきたい」。チームの命運を握る1番打者として「打率もそうですけど、出塁率に結構こだわっている。出塁率やOPSは大事にしています」と力を込める。

 11日のオリックス戦(ZOZOマリン)では、3回の第2打席でフルカウントからファウルで粘って四球で出塁。得点にこそ結びつかなかったものの「あれは100点です」と胸を張る。2024年から取り組む2ストライク後の、スタンスを広めて重心を落としたノーステップ打法で粘り強さが増しているのだ。さらに引きつけて打つためにミートポイントを体の近くにしたことで、球の見極めが着実に向上している。

 昨年は107試合で自己最多33四球と3.2試合に1個のペースだったが、今季は45試合で21四球。2.1試合に1個ペースと激増している。相手投手の攻めも厳しくなり9死球はリーグ最多タイ。約1か月半の離脱期間があり規定打席には達していないものの、12日時点での出塁率.392はリーグ2位相当となっている。

 このまま試合出場を続けていけば、2年連続の規定打席到達は「余裕でいけると思う」と十分に射程圏。死球が増えている分「怪我もありますし本当にいつ離脱するか分からないので、そこは怖さもあります」と言いつつ、「ケアは毎日やっています。やれることはやっているので、それで怪我するのは仕方がない」と覚悟を決めてシーズンに臨んでいる。

 昨年の活躍は、今年大きくジャンプするためのステップでしかない。「去年の数字は下地という感じです。土台はできたので、あとはもう伸ばしていくだけかなと思います」。レベルアップできている確かな手応えがある。

「ここ数年は年々良くなっていますし、自分の中でもある程度やれる自信はあるので、去年よりは絶対にいい数字は残せると思います。もっと言えば、タイトルを獲れるぐらいの力がついてきているかなと思うので、あとは本当に結果を出すべきだなと思います」

 打率3割はもちろん、その先にある首位打者や最高出塁率のタイトルを見据える。藤原がそれだけの活躍をすれば、自然とチームは強くなる。上位進出の鍵を握っているのだ。くしくも今季から大阪桐蔭の先輩である西岡剛氏がチーフ打撃コーチ兼走塁コーチに就任。2010年の“下剋上日本一”をけん引したリードオフマンの後継者として、たくましさを増す打撃でチームを引っ張っていく。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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