四球→四球→四球…自滅寸前の西武守護神 「俺を信じろ」18.44m先で相棒が届けた“思い”

甲斐野は2-0の9回に登板するも連続四球で大ピンチ
■西武 2ー1 ロッテ(14日・ベルーナドーム)
西武は14日、本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦に2-1で競り勝った。2点リードで迎えた9回には、クローザーとして登板した甲斐野央投手が3連続四球で無死満塁の大ピンチを招き、薄氷を踏むような勝利だった。
「しっかりストライクを投げてくれと思いながら見ていました」。試合終了後、西武の西口文也監督は思わずため息をついた。
甲斐野は9回、先頭の代打・角中勝也外野手に対し、初球こそ見逃しのストライクを取ったものの、その後4球連続ボールで四球で歩かせる。続く代打・安田尚憲内野手にも、今度は1球もストライクが入らないまま四球を与え一、二塁。さらに小川龍成内野手への2球目のフォークが暴投となり、二、三塁とピンチが広がった。結局、小川も歩かせ、無死満塁の窮地に追い込まれた。
しかし、ここから開き直った。1番打者の藤原恭大外野手にカウント1-2からフォークを引っ掛けさせ、一ゴロ併殺打。この間に1点を献上し、なおも2死三塁の一打同点のピンチが続いたが、西川史礁外野手に対し初球から3球連続フォークを投じ、いずれも空を切らせて3球三振でしのぎ切ったのだった。甲斐野には今季8セーブ目が記録された。
小川に対するフォークが暴投となった生々しい“残像”がありながら、最後に3球連続フォークを要求した古賀悠斗捕手のリードと勇気も光った。
甲斐野は「(最後は)古賀が『大丈夫だ。俺を信じろ』というジェスチャーをしてくれたお陰です。頼もしいキャッチャーやなと思いましたし、僕は高めに浮かさないことだけを考えて、低めに思い切って投げました」と感謝。古賀悠は「もう願うしかありませんでした。(3球連続フォークは)勝負どころでしたし、ワンバウンドになっても絶対に止める自信があったので」と言い切った。
「最初はメカニックが少しずれていました。申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、反省は試合が終わってからしようと切り替えました」と甲斐野。実際に試合終了後、すぐに映像で自分の投球を振り返り、シャドーピッチングを行い、壁に向かってボールを投げて調整したという。
西武は昨季まで3年連続5位以下と低迷していたが、今季は一変して2位につけている。優勝争いに生き残っていくためには、クローザーの安定が不可欠と言えそうだ
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)