“鉄腕”が残した「200×12」…引退で感じる偉大さ 最強左腕が明かした本音「野球は変わった」

  • MLB
  • 2026.07.15
タイガースのジャスティン・バーランダー(左)とタリク・スクーバル【写真:ロイター】
タイガースのジャスティン・バーランダー(左)とタリク・スクーバル【写真:ロイター】

レジェンドピックで臨む現役最後のオールスター

 タイガースのジャスティン・バーランダー投手が14日(日本時間15日)、フィラデルフィアで開催されたMLBオールスターに登場。満員のファンから大歓声を受けた。先日に今季限りでの引退を表明し、球宴には「レジェンドピック」で選出された。サイ・ヤング賞3回、通算266勝など枚挙に暇がない実績を誇る伝説の右腕。同僚のタリク・スクーバル投手が中でも惜しみない敬意を示すのは、圧倒的な“労働量”だ。

 バーランダー引退の意向は7日(同8日)にチーム内へ伝えられた。しかし、その日先発登板を控えていたスクーバルには影響を考慮して明かされなかったという。チームメートの中で最後に引退を知った左腕だったが、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」によると、引退会見では狭い部屋の後方にただ一人座り、先輩の姿を見守っていたという。

 バーランダーは通算3571回1/3、26完投を誇り、200イニング超えを12度も記録した鉄腕だ。過去2年連続でサイ・ヤング賞に輝く“最強左腕”のスクーバルでさえ、通算1完投、最多イニングは195回1/3にとどまっている。それだけに「55歳まで投げ続けないと無理だね」と圧倒的な実績に脱帽する。「本当に優れていて、長い間そうあり続けてきた選手のそばにいると、目指すものが同じになる」と語った。

 スクーバルは投手の分業化が進む現代において「もちろん、野球は変わった」と指摘している。「先発投手としては、イニングを食うこと、たくさん投げることに誇りを持つものなんだ。失点がどうであろうと関係ない。ただイニングを食うことなんだ」と話した。時代が変化しても変わらない、先発投手としての根本的な役割について自身の考えを示した。

 さらにイニング数の価値について「私は、イニングには今でも大きな価値があると思うけど、球団は以前ほどそこを重視していない気がする」と言及。「たぶん量より質を求めているんだろう。でも私の中には昔気質な部分があって、自分は量も求めたい」と明かした。効率が重視される現代のトレンドに対し、あえて抗うような本音を漏らしている。

 タイガースの本拠地ミシガン州の地元メディア「MLive.com」は、こうした左腕の言葉を紹介した。長年エースとして君臨してきた先輩に対し、スクーバルは「そして彼はそれを実際にやり遂げてきた。そして、そこに質も伴っている。だから彼は殿堂入りする投手なんだ」と最大級の称賛を送った。消えゆく偉業への憧れとともに、鉄腕の矜持を継承していく。その輝かしいまでのキャリアは、オールスターでの万雷の拍手が物語っていた。

【実際の様子】“最後”の球宴に登場したバーランダー 白ドレスの美人妻と笑顔の家族ショット

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