横山陸人の覚醒呼んだ益田直也の“言葉” 受け継がれる守護神のバトン…「249」の先にある景色

リーグトップの25セーブをマークするロッテ・横山陸人【写真:加治屋友輝】リーグトップの25セーブをマークするロッテ・横山陸人【写真:加治屋友輝】

横山陸人が明かす…“悩み”を解決してくれた大先輩・益田の助言

 ロッテの7年目右腕・横山陸人投手は今季から本格的にクローザーを任され、ここまで35試合に登板してリーグトップの25セーブ、防御率1.57と好成績を残している。しかし、守護神の地位を確立するまでに、苦悩の日々を過ごしたこともあった。そんな時、壁を乗り越えるきっかけとなったのが、ベテラン・益田直也投手の存在だった。(記録は19日現在)

 横山は千葉の名門・専大松戸高から、2019年ドラフト4位で入団。2年目までファームで経験を積み、少しずつ力を付けてきた。昨季は自己最多の50試合に登板して12セーブ、20ホールドをマーク。シーズンを通してブルペンを支え、首脳陣からの信頼を勝ち取った。そして今季は抑えに定着。リーグトップのセーブを積み重ねている。

 それでも現状に満足していない。「良い数字は出ていて順調にきていますが、たまに凡ミスが出てしまう。ミスを減らして絶対的なクローザーを目指していきたい」と力を込めた。

 好成績を残しつつも見据えるのは、さらに高いレベルだ。一つのミスが勝敗を左右する抑えというポジションだからこそ、自らに厳しい視線を向け続けている。その成長を支えた存在として横山が名前を挙げたのが、長くクローザーとして活躍してきた益田だった。

 決め球であるシンカーを思うように投げられずに悩んでいた時、同じシンカーを武器とする益田から何気なく声を掛けられた。その一言をきっかけに感覚を掴んだ横山は、今も技術面だけでなく、配球や打者との駆け引きなど、守護神としての多くを益田から学んでいる。

「益田さんは本当に引き出しが多いんです。僕の知らない配球面のこともそうですし、シンカーで悩んでいる時にサッと言ってくれただけで、精度が上がりました。まだまだ技術面のことを学んでいきたいです」

 何気ない一言だったが、長年第一線で戦い続けてきたベテランだからこそ伝えられる重みがあった。横山は技術面だけではなく、配球や打者との駆け引きなど、多くのことを吸収しようとしている。

名球会入りの条件である通算250セーブまであと1に迫る益田直也【写真:栗木一考】名球会入りの条件である通算250セーブまであと1に迫る益田直也【写真:栗木一考】

追いかける偉大な先輩の背中…目指す絶対的守護神

 同じ守護神という立場になったことで、益田の偉大さを改めて実感している。名球会入りの条件である通算250セーブまであと1に迫る36歳について、横山は深い敬意を表す。

「本当に『凄い』の一言で終わらせてはいけないぐらい凄いです。実際に自分が抑えの位置で投げていて249セーブを挙げるって考えると、とんでもない精神の持ち主だと思います」

 その数字が決して簡単に積み重ねられるものではないことを実感しているからこそ、横山の目には「249」という数字の奥にある、長年にわたってマウンドに立ち続けてきた益田の執念そのものが映っている。

 そして「そういうセーブ数を目指していきたい」と、偉大な先達が築いてきた足跡を、自身の大きな目標に掲げた。

 今季のロッテ救援陣はリーグ屈指の安定感を誇る。今季から選手会長を務める横山はブルペンの雰囲気について、「ブルペン陣の中でも僕は年齢が下のほうなので、逆に先輩から声を掛けてもらいながら過ごしています。特に僕から周りの選手に何かを声掛けるというわけでもないですが、雰囲気良くやれています」と語る。

 さらに「お互い数字を意識しながらやれています」と笑いを誘う場面もあった。互いに刺激を受けながら高め合える関係性も、強力ブルペンを支える原動力となっている。

 タイトル争いのトップを快走する現在も、横山の視線はその先を見据えている。

「まだシーズンはあるので、最後までタイトル争いができるような結果を出していきたい」

 益田から技術と経験を学び、偉大な先輩の背中を追い掛ける。24歳の若き守護神は、249セーブという数字の先にある景色を見据えながら、絶対的守護神への階段を上っている。

(岡部直樹 / Naoki Okabe)

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