貯金23で絶好調のDeNA2軍 漢・村田修一監督が説く“最後は自分”の心意気 「AIも大事だけど、感性も大事」

DeNA2軍を指揮する村田修一監督【写真:町田利衣】DeNA2軍を指揮する村田修一監督【写真:町田利衣】

前半戦終え地区首位「チーム単位での成長がすごく見られるかなと思います」

 DeNA2軍は前半戦を終え、50勝27敗7分けでファーム・リーグ中地区首位を走っている。同地区では2位の巨人とマイナス1ゲーム差(勝率1位も貯金数は2位)の熾烈な首位争いを繰り広げているが、貯金23&勝率.658の強さを誇る。

 今季から指揮を執る村田修一2軍監督は「チーム単位での成長がすごく見られるかなと思います。ミスをすることもありますけど、進塁打、バント、ワンバウンドでスタートしたりとか、成功させようという姿勢がすごく出てきたかな。チームのためにやっていくのが自分にとってもプラスになるということに、みんなが気付き出したのはありますね」とうなずいた。

 育成が至上命題にもなるファームという場所で、同時に勝利も追い求めるのは難しいことでもある。いい選手がいれば1軍に昇格するためいなくなることも多く、そうなればおのずとファームの戦力は削がれていく。しかし指揮官は「両方追いかけないといけない」とキッパリ言う。

「バッティングだって真っすぐも変化球も両方打てないといけないですし、投手だってストレートも変化球も投げられないといけないですから。チームとしても両方を追いかけながら、どれくらいのバランスで追いかけるかというのは勉強していくべきことかなと思います」

“両立”していく中で、見えてきた「チームの成長」。その背景には、村田監督発案のルーティンがある。

意識する“巨人”の存在「あっちを追い越すチームを作りたいと考えています」

「毎週頭にみんなでマインドセットして『今週はこういう1週間にしよう』『こういう考え方で臨もう』というのをみんなに話して、選手同士でも話してもらっています。そういう気持ちの部分の、考え方の部分の入り方は常に口酸っぱく言っているので。そこが野球にも体現できてきているかなという風には感じますね」

 マインドセットは昨季も1軍スタッフで取り入れられており、打撃コーチとして行っていた。2軍監督に配置転換となった際、ファームでも行うこと、さらに教育の一環として選手も交えてやることを提案し、始まった。

「ああいう時間はすごく大事だと僕も勉強してきました。目を瞑って『きょうはどう入っていこう』と自分の中で決める。それが人間教育、選手教育の一番大事なところじゃないかと思っています。考え方さえ合っていれば、すぐに同じ方向を向ける。その辺をもっと浸透させていければ、毎年Aクラスに入るチームから、毎年優勝争いをできるチームに変わるんじゃないかなと。そこをやはり目指しているし、ファンの方も求めていると僕は思うので。そういうマインドセットで野球をしようぜ、という話はしていて、それが全体的に浸透しているし、しようとしている姿勢が見える。その辺は変わってきたかなと思いますね」

現役時代は横浜の主砲として活躍し第2回WBCにも出場。2025年に指導者として古巣に復帰した【写真:アフロ】現役時代は横浜の主砲として活躍し第2回WBCにも出場。2025年に指導者として古巣に復帰した【写真:アフロ】

 貯金「23」という数字が、それを物語る。「ファームとはいえ、なかなか大きい貯金をつくるのは難しいですからね」と微笑んだ指揮官だが、すぐに表情を引き締める。“勝利”も見据える以上、ライバルがいるからだ。

「ジャイアンツも強いですけど、あっちは何回も優勝しているチーム。僕もそこから学んだことは大いにあるので、そこと勝負できるのはありがたいことです。あっちに行って、こちらが強くなるのを見てきたので、次はこちらで、あっちを追い越すチームを作りたいと考えています」

 ドラフト自由枠で横浜に入団し、主砲としてチームを牽引したが、チームはBクラス常連だった。2012年から巨人に移籍し、リーグ3連覇も経験した。現役引退後も巨人などでコーチを務め、2025年、実に14年ぶりにベイスターズのユニホームに袖を通した。

「最後は困ったら“テメェ”なんです」

 今季からは2軍監督として、熱く、そして厳しく、若き才能を指導する。“昭和臭さ”を感じさせる言葉もまた、味わい深い。

「AIも大事だけど、感性も大事。どっちかに偏るのは絶対にないです。ネクストバッターズサークルから打席に行ったら『テメェだよ』って。でも裏で聞きたいときは『AIに頼め』と。頭を整理させたいときはAI、でも最後は困ったらテメェなんです。その辺をうまく浸透させていければ、もう一個上のチームになるんじゃないかと。正解かどうかはわからないですけど、僕はそう信じてやっています」

2軍で実力を高めた篠木健太郎(左)や岩田将貴ら10投手が今季プロ初勝利を挙げた【写真:加治屋友輝、イワモトアキト】2軍で実力を高めた篠木健太郎(左)や岩田将貴ら10投手が今季プロ初勝利を挙げた【写真:加治屋友輝、イワモトアキト】

 今季1軍ではすでに10人が“プロ初勝利”をマークしており、そのうち6人が日本人投手だ。野手でも若手の躍動が目立ち、2軍から1軍への好循環がうかがえる。「一度ではうまくいかなくても、失敗を糧にちょっとずつみんな良くなっている。この積み重ねが後半戦、来年、再来年と続いていけば、また優勝を目指していけると思うので。投手も野手も、上(1軍)に行って頑張る選手がいると、下(2軍)でやっている人間も『俺も行きたい』と絶対になるので、その辺はうまく回していきたいなと思います」。

「漢・村田」のもとで鍛えられている若武者たち。横須賀の地で快進撃を続けるスター候補生たちにも注目だ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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