DeNA・小田康一郎が過ごした“至福の時間” 巨人・石井琢朗2軍監督と対峙…体感した「ベイ伝説」

フレッシュ球宴に出場したDeNA・小田康一郎【写真:荒川祐史】フレッシュ球宴に出場したDeNA・小田康一郎【写真:荒川祐史】

DeNAのドラ1・小田とドラ3・宮下がフレッシュ球宴に出場した

 忘れられない1日となった。DeNAのドラフト1位・小田康一郎内野手(青学大)と同3位・宮下朝陽内野手(東洋大)が27日、ハードオフ新潟で行われた「ナミックス フレッシュオールスターゲーム2026」に出場した。試合前のフリー打撃ではDeNAのレジェンドOB、巨人・石井琢朗2軍監督との“対戦”が実現。ルーキーコンビは瞳を輝かせ、先輩から聞いていた逸話を思い出していた。小田はさらに、阪神・平田勝男2軍監督から予想外の感激の言葉をかけられていた。

「3番・一塁」でフル出場した小田は1点を追う3回2死一、三塁で二塁前へ詰まった当たりとなったが、快足を生かして内野安打とした。「(打球を見た瞬間に)内野安打を狙ったのでよかったです」。一時は同点となる適時打にニンマリ。7回には強烈な打球を右翼線に運び、二塁打をマークするなど躍動した。

 宮下は「6番・遊撃」でスタメン。2打数無安打、守備では失策もあり、いい場面は見られなかったが、笑顔でプレーして初の“宴”を楽しんでいた。

 貴重な経験は試合だけではない。DeNAのルーキー2人にとって、何よりも贅沢な時間が訪れたのは試合前のフリー打撃だった。

 気温30度、強い西陽が差し込むマウンドへ真っ先に向かったのが、コーチとしてフレッシュ球宴に参加していた巨人の石井2軍監督だった。こんがりと日焼けした55歳は、力強い球をテンポよく投げ続けた。

打撃投手を務めた巨人・石井琢朗2軍監督【写真:荒川祐史】
打撃投手を務めた巨人・石井琢朗2軍監督【写真:荒川祐史】

巨人・石井琢朗2軍監督との“至福の時間”

 打撃練習の2組目、DeNAからまずは小田が打撃ケージに入った。約5分間、快音を響かせ、打ち終えるとヘルメットを脱いで深々と頭を下げた。続いて宮下がケージに入り、気持ちよさそうに打球を飛ばした。2人は感激の面持ちで“至福の時間”を振り返った。

 小田は「球質というか、すごく長くスーッと来るような感じでした。球が垂れちゃうとか、変化するとかはないボールです。しかも、ほとんど同じようなところに来るので、すごい打ちやすかったです」と汗を拭った。宮下も「すごい綺麗なボールでびっくりしました。もうずっと同じペースで投げてくださって、ボール球もほとんどなかった。本当に凄いと思いました」と笑みを浮かべた。

 石井監督といえば、現役時代には「マシンガン打線」の主力として1998年のベイスターズ日本一に貢献するなど、チームを長く支えたレジェンド。引退後は広島、ヤクルト、巨人で指導し、2022年から昨年までの4年間、DeNAでコーチを務めた。

 小田らルーキーにすれば入れ替わりで直接的な関わりはなかったが、フレッシュ球宴で急接近。打席に立ちながら、揃って同じ“伝説”が頭をよぎっていた。

阪神・平田勝男2軍監督【写真:荒川祐史】阪神・平田勝男2軍監督【写真:荒川祐史】

阪神の平田2軍監督から「本職はどこだ?」

「もちろん選手としてのレジェンドだということは存じ上げていますが、昨年までベイスターズでコーチをされていて、先輩方からはきょうのようにバッティング練習で投げていただいていた、という話は聞いていました。打ちやすいだけでなく、体力が尽きることなく、ずっと投げているらしくて(笑)。それを僕は今まで聞くだけでしたが、今回こうして実際に投げていただいて体感できました。すごいいい経験になりました」

 小田がこう言えば、宮下も同じように語った。「去年までベイスターズにいらっしゃって、ケースで3箱(1箱約200球)は余裕で投げる、みたいな話は先輩から聞いたことがあって“やっぱこれか!”というのは感じました」。まさにレジェンドの凄さを、晴れの舞台で身をもって知ることができたのだ。

 年に1度の“お祭り”ゆえの貴重な経験は、さらに小田に訪れた。打撃練習を終えたあとに、石井監督とともにコーチとして参加していた阪神の平田勝男2軍監督からも声をかけられた。

「お前、本職はどこだ?」

 ファーム・リーグの前半戦ラストは阪神との3連戦だった。小田は一塁、二塁、三塁でプレー。複数ポジションをこなすドラ1を、対戦球団の指揮官も目に留めていた。

「大学時代はファーストが多かったです」。小田が答えると、現役時代に遊撃手部門で4年連続でゴールデン・グラブ賞に輝いた名手から「サードも十分できるわ。頑張れよ!」。思いもよらぬ言葉をかけられた。

「いろいろとお話をさせていただいて、本当に勉強になりました」。球宴だからこその経験の連続。収穫の多い新潟遠征となった。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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