巨人から呼び戻した28歳…西武幹部が決断したワケ 「スピード」だけではない、求めた役割

西武入団会見に臨んだ若林楽人【写真:宮脇広久】
西武入団会見に臨んだ若林楽人【写真:宮脇広久】

6月に首位を走る大健闘も、7月に長谷川、桑原が怪我で離脱

 巨人から西武に金銭トレードで移籍した若林楽人外野手が30日、本拠地ベルーナドーム内で会見を行った。2024年6月まで3年半西武に在籍しており、2年ぶりの復帰。リーグ2位につけている西武が、わずか25か月で若林を呼び戻した理由とは――。(成績は全て30日時点)

「西武は優勝する可能性が十分ある位置にいる。優勝したい気持ちが本当に強いです」。“復帰会見”に臨んだ若林は、そう強調した。

 昨季まで3年連続5位以下と低迷していた西武だが、シーズンオフの補強が功を奏し、今季は6月に入っても首位を快走。しかし、7月に入り、成長著しかった長谷川信哉外野手が左手有鈎骨骨折、FA移籍1年目でチームを牽引していた桑原将志外野手も左腹斜筋肉離れと、主力の戦線離脱が続いた。首位に立ったソフトバンクに差をつけられ、いまは5.5ゲーム差の2位。3位の日本ハムには0.5ゲーム差に迫られている。

 広池浩司球団本部長は「外野の主力に怪我が出てしまっている事情がある。早く、今すぐにでも活躍してほしいのが本音です」と若林復帰の背景を説明する。

 若林は北海道・駒大苫小牧高、駒大を経て、2020年ドラフト4位で西武入団。1年目の開幕直後から抜群の身体能力を発揮し、5月までリーグ最多の盗塁数をマークするなど活躍していたが、5月30日の阪神戦で守備中に左膝前十字靭帯損傷の重傷を負い、これがプロ人生に影を落とした。

 2024年シーズン中の6月24日に、巨人との間で松原聖弥外野手(現ジャイアンツアカデミー・コーチ)との交換トレードが成立。移籍後間もない7月12日のDeNA戦でサヨナラ打を放つなど、勝負強い打撃を披露した。昨季は自己最多の86試合に出場し、打率.241、3本塁打16打点9盗塁をマーク。今季は開幕1軍入りを果たしたものの振るわず、5月27日以降はファーム暮らしが続いていた。

西武入団会見に臨んだ若林楽人(右)と広池浩司球団本部長【写真:宮脇広久】
西武入団会見に臨んだ若林楽人(右)と広池浩司球団本部長【写真:宮脇広久】

「首位に少しずつ差を開けられているし、下から追ってくるチームもある」

 広池本部長は「コンディションが大事な選手であることは間違いない。そこをしっかりやって、本来のスピードでグラウンドを駆け抜けてほしい」と期待を込める。「まだ28歳ですし、非公開のデータでは、現在でも試合中にかなり速いスプリントタイムが出ている。プロ入り直後(のスピード)は凄かった。残念な怪我がありましたが、その後のMAXのところには戻せると理解しています」と見通しを語った。

 一方で、「数字には表れなくても、彼が風を吹かせ、プレーでムードを変えられる選手であることは、我々が一番よく知っています」と、闘志を前面に押し出すキャラクターへの期待も口にした。

 シーズン中の若林獲得は、上位進出、その先にある7年ぶりのリーグ優勝への執念の表れともいえる。広池本部長は「今は2位ですが、(首位のソフトバンクに)少しずつ差を開けられていますし、下から追ってくるチームもあるので、歯を食いしばらないと上に行けない。戦力を整えないと、なかなか厳しいと思っています」と危機感を露わにする。「若林自身にも物凄く期待していますが、若林の加入によって刺激を受けるほかの外野手たちにも期待したい思いがあって、こういう決断をしました」と胸の内を明かした。

 若林自身「正直言って、(移籍直前は)あまりいい状態だとは思っていませんでした。いい状態なら1軍にいたと思います。それでも、これから1軍のスピードをイメージして準備しますし、気持ちが入っているので、変わってくると思います」と、環境の変化がもたらず効果を見込む。チームを再浮上させるきっかけとなれるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY