2年目・佐々木朗希に見えた成長 先発ローテ争い激化→揺らぐ立場も「今の仕事を精一杯」

昨秋のポストシーズンではブルペンで躍動も「向いていると思わない」
【MLB】ドジャース 6ー2 マリナーズ(日本時間31日・ロサンゼルス)
ドジャース・佐々木朗希投手にとって、「先発投手」という役割は譲れない矜持だ。
ブルペンに配置転換された昨秋のポストシーズンでは、リリーバーとして圧倒的なピッチングを披露。しかし、ワールドシリーズ開幕を翌日に控えた会見で救援適性を問われた際、背番号11は素直な胸の内を口にしていた。
「結局、先発でも中継ぎでも球速自体は変わらない。これから、今投げているカットボールやツーシームをしっかりと投げていけば、先発でもやっていけると思う。そこまで中継ぎに向いているとは思わない」
誰もが認める結果を残しながらも、その言葉には「自らの価値は先発として証明する」という強い自負がにじみ出ていた。
だが、世界一3連覇へ鼻息の荒いドジャースを取り巻く環境は決して生易しいものではない。
左肘の手術からメジャー復帰間近とされるブレイク・スネルの存在に加え、今夏のトレード市場ではさらなる補強策としてタリク・スクーバルの獲得までもが取り沙汰されている。先発ローテーションを巡る生き残りレースは、水面下で日増しに激しさを増している。
そうした喧騒の中で迎えた30日(日本時間31日)のマリナーズ戦。佐々木は最速101.5マイル(約163.3キロ)のフォーシーム、切れ味鋭いスプリットでゼロを並べた。6回途中にピンチを招いて降板となったものの、5回1/3を7奪三振5安打2失点。降板時には本拠地ファンから温かい拍手が送られ、5勝目をゲットした。
かつては「中継ぎに向いているとは思わない」と先発へのこだわりをストレートに言葉にしていた佐々木。しかし、熾烈なローテ争いや厳しいチーム状況に直面する中で、24歳の思考はより高いレベルへと昇華している。
「ポストシーズンなどはまた別物。今は与えられている仕事を精一杯やりたい」
個人のエゴや立場へのこだわりを胸に秘めつつも、それを上回る「チームの勝ちへの貢献」を最優先に思考を切り替える姿勢。この柔軟さと精神的な成熟こそが、2年目の剛腕をさらなる高みへと押し上げている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)