ド軍の売却は「予定されていない」 同一オーナーが2兆円で売却合意も…譲れない“大谷マネー”

“大谷効果”は日本でさらに拡大
ドジャースの筆頭オーナー、マーク・ウォルター氏が、2025年10月から所有していたレイカーズを125億ドル(約1兆9919億円)で売却することで合意した。NBA理事会の承認が必要となるが、ドジャースの球団運営に影響はない見通しであることを米メディアは報じている。
地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」によると、ドジャースのスタン・カステンCEOは12日(日本時間13日)の試合前に取材に応じ「これはレイカーズの話だ。ドジャースの話ではない。ドジャースとはまったく関係がない」と説明。「こちらでは何の変更もなく、今後も変更は予定されていない」と強調した。
その一方で、今回のレイカーズ売却によって改めて注目されるのが、大谷翔平投手とウォルター氏の関係だ。大谷は2023年12月、ドジャースと10年総額7億ドル(当時約1014億円)の契約を締結。その契約には「キーマン条項」が盛り込まれており、契約期間中にウォルター氏、またはアンドリュー・フリードマン編成本部長のいずれかが球団を離れた場合、大谷はそのシーズン終了後にオプトアウトしてFAになることができる。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のドジャース番を務めるファビアン・アルダヤ記者は、大谷がドジャースの「顔」であるだけでなく、ロサンゼルスや日本で球団のビジネスを成長させる原動力になっていると指摘。もしウォルター氏がドジャースを売却し、それに伴って大谷を失う可能性まで生じれば、球団が築いてきたビジネス全体が危機にさらされていたと報じている。
大谷効果による昨年のド軍収益は1594億円超えとも言われている
実際、大谷加入後のドジャースは2年連続でワールドシリーズを制覇。ウォルター氏は積極的な資金投入を続ける一方、フロント陣には介入せず、チーム運営を任せてきた。大谷の契約は97%が後払いとなっており、球団は目先の年俸負担を抑えることで、さらなる戦力補強を可能にしている。2026年のぜいたく税算定上の年俸総額は4億1500万ドル(約661億円)を超える見込みで、ドジャースの桁違いの資金力はMLB内でも議論の的となっている。
そして大谷の影響力は、日本市場でさらに際立つ。ドジャースは2025年に東京で開幕を迎え、大谷、山本由伸、佐々木朗希という3人の日本人スター投手を抱えている。ドジャースタジアムでは日本企業の広告が増え、ユニクロが球場初のオフィシャル・フィールド・プレゼンティング・パートナーに就任。日本語ツアーや日本でのファンクラブも展開している。米スポーツ経済メディア「Sportico」は、昨年のドジャースの収益が10億ドル(約1594億円)を超えたと推定している。
レイカーズ売却によってウォルター氏の資産運用には大きな変化が生じるものの、ドジャースについてカステンCEOは「何の変更もない」と強調。むしろ今回の一件は、ウォルター氏が筆頭オーナーとして残ることが、大谷の将来、そして球団が築いてきた黄金時代を守る意味でも重要であることを浮き彫りにした。大谷は今や、グラウンド上の成績だけでなく、ドジャースの戦力、資金力、さらには日本市場でのビジネスまでを左右する存在となっている。
(Full-Count編集部)