DeNA筒香嘉智が思わず漏らした「何か憑いてる?」 死球、高熱…相次ぐ災難乗り越え到来した“季節”「やっとだね」

13日の中日戦で今季初の1試合2本塁打を放ったDeNAの筒香嘉智【写真提供:産経新聞社】13日の中日戦で今季初の1試合2本塁打を放ったDeNAの筒香嘉智【写真提供:産経新聞社】

8月9試合で打率.286、6HR、7打点、OPS1.245「8って数字が好きだから?」

 DeNAの筒香嘉智内野手が13日、バンテリンドームで行われた中日戦で今季初の1試合2本塁打を含む4打数3安打2打点と躍動した。初回の第1打席に金丸夢斗投手の148キロを右翼席へ運ぶ先制の12号ソロを放ち、6回には左翼テラス席へ13号ソロ。「状態も良くなっているので、このままチームに貢献できればと思います」と手応えを口にした。

 8月はこれで9試合で打率.286(35打数10安打)、6本塁打、7打点、OPS1.245と輝きを放つ。7月も16試合で打率.288(52打数15安打)、4本塁打、14打点、OPS1.002と“兆し”を見せていたが、8月はさらに勢いを加速させている。

 昨年も8月途中に1軍復帰し、その後11試合で打率.355(31打数11安打)、8本塁打、12打点の成績を残した。渡米前を見てみても、2019年が8本塁打、2018年が9本塁打、2017年が7本塁打。“夏男”と呼ぶにふさわしい。

「(理由は)わからないです。8って数字が好きだからじゃないですか?」と笑うが、その意味合いは、今年は少々違うかもしれない。昨年は3・4月の10試合で打率.115、2本塁打、2打点と低迷。不振により5月1日に出場選手登録を外れて再調整となった。“二の舞”を避けてスタートダッシュを切るべく、オフから調整を続けた。今季のオープン戦は11試合で打率.370、1本塁打、7打点と絶好調だった。

4月4日の巨人戦で死球を受けた筒香【写真提供:産経新聞社】4月4日の巨人戦で左膝に死球を受けたDeNA・筒香嘉智【写真提供:産経新聞社】

苦手の春先…今季は開幕後絶好調も狂った歯車「今回は無理だ」

 かつてないほどの期待を胸に開幕を迎えるはずだったが、描いたストーリーは暗転する。思わず「俺、何か憑いてるのかな……?」と発したほど苦しんでいた。

 開幕1週間前、オープン戦最後のカードとなった3月20日の西武戦(ベルーナドーム)。「4番・一塁」で先発出場し、初回の第1打席でスイングした際に腰を痛めて負傷交代した。必死に治療を行うも、開幕から2試合はベンチ外。主将としてチームを鼓舞したが、グラウンドで示すことはできなかった。

 それでも3月29日のヤクルト戦(横浜)で今季初出場すると4打数3安打1打点。出場2試合目には幸先よく今季1号を放った。しかし打率.393、2本塁打、5打点と打ちまくっていた4月19日に出場選手登録を抹消されることになる。

 4月4日の巨人戦(東京ドーム)で左膝に死球を受け、倒れ込んで動くことができずに負傷交代していた。また歯車は狂っていく。痛む膝を使うことができず、フォームが崩れて腰の痛みが再発。骨折を押してでも試合に出るほど痛みに強い男が「今回は無理だ」とつぶやいた。

6回に13号ソロを放ったDeNA・筒香嘉智【写真提供:産経新聞社】6回に13号ソロを放ったDeNA・筒香嘉智【写真提供:産経新聞社】

うなされた高熱「あんなにつらかったのは初めてかもしれない」

 リハビリ、2軍調整を経て1軍に帰ってきたのは3週間後、5月12日のことだったが、まだまだ災難は続く。26日からのオリックス3連戦(横浜)は体調不良のためベンチ外だった。

「あんなにつらかったのは初めてかもしれない」と振り返ったように、熱は40度まで上がった。扁桃腺が腫れて普通に食事を取ることもできず、おかゆを何十分もかけて口に運んだ。

 コンディション管理もプロの仕事と言われてしまえば、それまでだ。だから言い訳は一切しない。それでも次々襲いかかる悪い流れを断ち切れない現実が、もどかしかった。打撃は下降線の一途をたどり、一回り以上も年下の松尾汐恩捕手に「何で俺、こんなに打てないんや」と尋ねたこともあった。

「やっと……やっとだね」。今年も遠回りしてしまったが、ようやく体の状態も戻り、夏は筒香の季節になった。チームは2試合で9本塁打を放ってド派手にカード勝ち越しを決め「この打線というのがベイスターズの一番の特徴だと思います」。絶好調の主将に導かれ、ベイスターズに“らしさ”が戻った。

(町田利衣 / Rie Machida)

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