村上宗隆は「いるだけで全然違う」 メジャー初対戦で抱いた“恐怖心”…今永昇太が称えた能力「一切振らなかった」

カブス戦に出場したWソックス・村上宗隆【写真:アフロ】カブス戦に出場したWソックス・村上宗隆【写真:アフロ】

日本での通算成績は村上有利も…メジャー初対戦は今永に軍配

 カブス・今永昇太投手とホワイトソックス・村上宗隆内野手。2人のメジャー初対決が17日(日本時間18日)、カブス本拠地のリグレーフィールドで実現した。今季2度目となるシカゴ対決3連戦。その初戦で3年ぶりに対峙した2人だが、全11球にわたる18.44メートルの攻防には、それぞれに感じるところがあったようだ。

 2人が最後に日本で対戦したのは2023年のこと。当時はDeNAのエース・今永vsヤクルトの主砲・村上という構図だった。2019年の初顔合わせから5シーズンの通算対戦成績は、43打数13安打で打率.302。13安打には6本塁打が含まれ、11打点、9四球を記録している。三振数は11あるが、村上に分があったと言って良いだろう。

 3年の時を隔て、今回は怪我人が続出するカブス先発陣の中でローテを守り信頼を得た今永、移籍1年目とは思えぬ驚異の打撃で3年連続100敗チームが地区首位へ躍進する原動力となっている村上として対戦。この日の勝負は3打席だった。

 まずは初回1死走者なしの場面だ。2番・村上を迎えた今永は初球、内角高めのフォーシームで体を少し起こさせると、2球目のスライダーを外角低めストライクゾーンいっぱいに投げ込んだ。3球目は外角フォーシームで空振りを奪い、4球目は外角スライダーが外れてボール。カウント2-2としたところで、決め球でもあるスプリットを外角低めに鋭く落として空振り三振に斬ってとった。

 2打席目は、カブスが2点リードする4回。先頭で打席に立った村上に対し、今永はスライダー、スプリットと2球連続で外角低めのゾーンを攻めたが、バットを誘い出せない。1ストライクを取った後の4球目は高めに抜け、最後はやはり外角低めへのスライダーがわずかに外れて四球。この四球をきっかけに、今永は一時逆転となる3ランを許した。

 3打席目は5回2死一塁。やや高めの甘いコースに入った初球フォーシームを、村上は鋭いスイングで振り抜いた。鋭いライナー性の打球は右翼スタンドを目掛けたが、あとひと伸び足りず。右翼を守る鈴木誠也外野手のグラブに収まり、アウトとなった。

Wソックス戦に先発したカブス・今永昇太【写真:ロイター】Wソックス戦に先発したカブス・今永昇太【写真:ロイター】

今永が称賛した村上の存在感「いるだけで全然違うなと感じました」

 メジャー初対決は2打数無安打1四球。取りつ取られつのシーソーゲームは延長10回までもつれたが、最後はカブスがPCAことピート・クロウ=アームストロング外野手のサヨナラ弾で劇的勝利を収めたことも含め、今回は今永に軍配が上がった。

 試合後、勝敗こそつかなかったが6回2安打10奪三振3失点を好投した今永は、村上との対戦を振り返り「データが示す通り、ボール球は一切振らなかった」と話した。

「ボール球は一切振らないし、ストライクゾーンに入ってきたボールは必ず強いコンタクトをしてくる。チャンスメークもできれば、走者がいる場面で長打を打つこともできる。1人いるだけで(チームにとっては)全然違うなと感じました」

 メジャーでも変わらず村上が打席で漂わせる存在感の大きさを素直に称えた一方で、自身の投球内容、特に村上対策という点では思い通りのピッチングができたとも話している。

「まあ、ある程度(投げられた)。最後のライトライナーはちょっとストライクゾーンに乗っかって危なかったですけど、自分の意図した球を意図したコースに割と投げられていました。四球も出しましたけど、じゃあ(ストライク)ゾーンに入ったら、どうなっていたかも分からない。ある程度、今日(準備した)プランの中では、その通りになったような感じはしますね」

Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】Wソックス・村上宗隆【写真:ロイター】

無念の表情の村上「ちょっとドライブがかかっちゃったんで」

 一方、村上は逆転の呼び水となる四球を選びながらも、仕留めきれなかった3打席目の右飛が悔しい様子だ。「角度がうまく上がらなかった。あそこ(打球が高く)上がってたら、いい感じに(打球が右翼席へ)行ってたと思うんですけど、ちょっとドライブかかっちゃったんで」と無念さを浮かべた。
 
 この打席について、今永の見解は「正直(スタンドに)行った感じはしないですけど、あれがもう少し高めに投げられて、なおかつ詰まった打球だったら良かったなと思いました」と合格点ではなく及第点。同時に、改めて村上が持つ能力の高さも思い知らされた。

「真っすぐを張った上ではなく、色々なボールを待っている中であのスイングだったので、これから対戦していく中で恐怖だなと思いました」。もしフォーシームを狙い打ちされていたら……。ズバリ狙った打ち取り方ではなかったからこそ、次回に向けて修正と成長の余白があると感じている。

 試合後、今永との対戦について質問された村上は「チームとして負けたのですごく悔しいですし、また来年対戦があればチームとして勝ちたいなと思います」と、あくまでチームとしての勝敗が優先されることを強調し、個人的な想いについては胸の内を明かさなかった。今永も多くを振り返っているようで、その実、正直な想いは心の中に留めているのではないかと思う。

 18.44メートルの距離で睨み合った2人にしか分からない空気感もあるだろう。言葉では表現できない“会話”のようなものもあるのだと思う。互いに日本を飛び出して、選手としての幅を広げた者同士。次回の対戦では、どんな対戦を繰り広げてくれるのか楽しみだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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