断トツ19HRも遠い1軍「自分ではどうしようもできない」 わずか5日で降格経験…西武“若き大砲コンビ”の胸中

2軍で研鑽を積む西武・仲三優太【写真:小林靖】2軍で研鑽を積む西武・仲三優太【写真:小林靖】

西武の仲三優太、村田怜音がファームで躍動している

 虎視眈々と“その時”が訪れるのを待っている。西武の仲三優太外野手、村田怜音内野手がファーム・リーグで研鑽を積んでいる。仲三は2軍の全14球団で断トツの19本塁打、村田は同リーグ中地区で仲三に次いで2位タイの10本塁打をマークしている。無双する若い大砲コンビだが、1軍に定着できていないのが現状だ。

 入団3年目の村田は197センチ、115キロの恵まれた体格を生かし、84試合の出場で打率.288、10本塁打、37打点の成績を残している。安定した数字の背景には“不動心”があるという。

「今年はブレないことをテーマにしています。去年は少し打てなかったら、すぐフォームを変えていたんですけど、今年は自主トレの時くらいに決めたフォームを1年間やり続けるというのを決めているので、それがいいのかなと。あとは下半身の使い方をよくするようなエクササイズをかなりやっていることで、少しずつ上手になってきているかなと思います」

村田怜音は大型大砲として期待がかかる【写真:小林靖】村田怜音は大型大砲として期待がかかる【写真:小林靖】

 昨年までの西武であれば、1軍の成績が振るわなかったため、2軍の若手に昇格の“順番”が回ってくる状況だったが、今年は違う。リーグ2位につけており、クライマックスシリーズ(CS)出場圏内をキープしている。2軍で好成績を出していても、なかなか声がかからないのが現状だ。

「まあ、そんなに上の結果を見てどうこう思っているわけじゃないです。実際、僕も上では打てなかったので。1軍で活躍するというのは難しいですし、1打席でしっかり結果を出さなきゃいけないので、ファームでもう1回練習をやって、次1軍に行く時にはしっかり結果を出せるようにはしたいと思います」

 7月12日に今季初昇格を果たすも、4試合の出場で9打数無安打と結果を残せず、同23日からは再び2軍での日々を過ごしている。そして、現在、西武の2軍にいる野手でもっとも1軍に近い位置にいるのが仲三だろう。

仲三は巨人との2軍戦で田中将大から逆方向へ豪快アーチ

 昨季ファームで2桁本塁打をマークし、大砲としての素質が開花。今季も19本と断トツの本塁打数を誇る。今月11日の巨人との2軍戦では、田中将大投手から逆方向の左中間スタンドへ16号を豪快に放り込み、ファンの度肝を抜いた。23歳はレジェンドからの一発に不敵な笑みを浮かべた。

「すごい方と対戦できて嬉しかったのがまず一つ。その中で球も見ることができたし、自分のスイングもできたので、まあ自信というか、やってきたことがまた通じたかなとは思います」

【動画提供:DAZN】

 ここまでの成績について、仲三のアプローチも村田と同じだった。「変えないことですね。数字が出なかったら、すぐ変えたくなる気持ちもあるんですけど、変えずにやることを意識しています」。相手投手の配球傾向、球種を事前に把握することでも、結果につなげている。

 開幕してすぐの4月5日に昇格を果たし、本塁打は放ったが23打数2安打の打率.087と苦しみ、同16日に出場選手登録から抹消された。悔しさを晴らすかのように本塁打を量産し、外野手陣に怪我人が続出していた夏場の7月24日に再昇格。3試合の出場で8打数2安打の打率.250。わずか5日間の1軍帯同で、29日には2軍のメンバーと汗を流していた。

「結果として“10の10”で打つのは難しいですけど、ここでまた変にバッティングフォームをいじるとかではなく、もっと研究であったり、しっかりと仕留められるような練習をした方がいいかなとは思います」。“再降格”後も自分を信じてプレーを続けている。

今季は1軍に2度昇格したが、いずれも早々にファーム行きを命じられた【写真:小林靖】今季は1軍に2度昇格したが、いずれも早々にファーム行きを命じられた【写真:小林靖】

「自分ではどうしようもできないところは何をしても無理なので、自分のやるべきことをやって、準備だけは怠らないようにするだけかなと思います」

「すごくいい存在というか、高め合える存在だと思います」

 豪快な“アーチ競演”でファンを魅了する村田と仲三。お互いはどう見ているのだろうか。村田は「仲三は飛ばす力と角度をつける能力がめっちゃすごいなと思う。でも、ホームランの部分は負けたくないですね。ちょっと前まではアイツが打ったら僕も打つし、僕が打ったらアイツも打つ、みたいな試合が何試合かあった。僕にとってはすごくいい存在というか、高め合える存在だと思います」と瞳を輝かせた。

 一方で仲三は「僕はそこまで意識してないです」と苦笑する。「すぐ上(1軍)に上がりたいなと思っています。人とどうこうというよりも上、ですね」と1軍への思いを明かす。

「例えば状態が悪くなった人とか、そういう人が出てしまった時に、上げてもらって、そこで結果を出すことができたら自分の価値が上がると思う。後悔ないように毎日、同じ準備とか、できることを怠らずにやりたいなと思います」

 1軍の壁に跳ね返されながらも、ファームで十分な結果を残し続ける左右の大砲。いつ呼ばれてもいいように、いい状態をキープし続けて待たなければならない。シーズン終盤、大事な上位争いでラッキーボーイになる可能性を秘めている。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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