ロッテ・鈴木昭汰が明かす“復活”の背景 途中離脱を招いた「コンディション不良」の真相…見据える初の勲章

ロッテのブルペン陣に欠かせない存在の鈴木昭汰【写真:栗木一考】ロッテのブルペン陣に欠かせない存在の鈴木昭汰【写真:栗木一考】

8月は8試合に登板し1勝6ホールド、防御率0.00

 元ドラ1左腕が夏場に調子を上げている。ロッテ・鈴木昭汰投手は8月に入って8試合に登板。その間許した安打は2本だけで、四死球は0と抜群の安定感を示し、無失点を続けている。8月は1勝6ホールドで防御率0.00。逆転での2年ぶりクライマックスシリーズ(CS)進出を目指すブルペン陣で、絶対に欠かせない存在である。

「あまり打たれていないのは、ただの結果なので、そんなに気にしていません。でも真っすぐも変化球も徐々に良くなってきているので、これは継続していきたいかなと思います。7月は登板が(6試合と)少なかったので疲労がないのもありますし、僕自身はやっぱり、寒いよりも暑い方が好きなので、体の切れも良くなっています」

 法大から2020年ドラフト1位でロッテに入団。1年目の2021年は開幕ローテーション入りし、先発12試合を含む23試合に登板した。2022年は先発3試合を含む6試合に登板も防御率は7点台の不振。2023年以降は救援での登板が続く。

 ブレークしたのは4年目の2024年。51試合に登板して2勝2敗27ホールド5セーブをマークした。防御率は驚異の0.73。一躍、球界を代表する救援左腕となって球宴初出場も果たし、シーズン後にはプレミア12で野球日本代表「侍ジャパン」に選出され、3試合に登板した。

 2025年も開幕直後は安定した投球を披露。だが5月下旬から失点が目立つようになり、7月19日に出場選手登録を抹消された。結局、その後は1軍登板がないままシーズンは終了。29登板で1勝3敗14ホールド5セーブ、防御率4.82と前年と比較すれば物足りない数字が並んだ。

 この時、コンディション不良が理由とされていたが、鈴木は「肩のコンディションが良くなかった。関節唇を痛めたんですよ」と告白。関節の安定性とスムーズな動きを支える関節唇を損傷していたため、思うような投球ができなかったというのだ。

 リハビリを経て現在は完治しており、肩を痛めた影響は「ないです」と言い切る。「肩のケアもしっかりしてます」。万全の状態で迎えた今季は開幕直後から勝利の方程式の一角を担っている。ファン投票で選出され、2度目の球宴にも出場。シーズンも佳境を迎える中、さらに調子を上げてきている。

シーズンも佳境を迎えるが、さらに調子を上げてきている鈴木(右)【写真:栗木一考】シーズンも佳境を迎えるが、さらに調子を上げてきている鈴木(右)【写真:栗木一考】

リーグ1位タイの30HP…最優秀中継ぎ投手のタイトルを「一度は獲りたい」

「夏バテしないように練習量を減らさずやっているので、そういうところもあるのかなと思います。暑い時は水分をもちろんしっかり摂りますし、そういう対策もしますけど、ちゃんと走ったり、練習量を減らさないようにしています。増やすわけではないけど、減らさないのが状態をキープするのに一番いいのかなと思っています」

 自身の持ち味は「真っすぐの精度」と説明。切れのある150キロ前後の直球が両サイドに決まっており、スライダーやツーシーム、スプリットとの「コンビネーションも意識している」という。「全部の球種で勝負したい」と前を向く。

 今季は42試合に登板し、6勝1敗24ホールド1セーブ、防御率2.43。30ホールドポイントはオリックス・椋木蓮投手と並んでトップに立っており、6年目で初タイトルとなる最優秀中継ぎ投手も視界に捉えている。

「野球人生で一度は獲りたいタイトルでもありますし、一回はタイトルホルダーになりたい」。そう言った後「一回はというか、本当は毎年目指すべきことかなと思う」と訂正し、「ここまで来たら獲りたいし、僕が獲れるってことはチームが勝っているということ。1個1個のアウトをチームのためにという気持ちを忘れず、投げていきたい」と力を込めた。

 自己最多の51試合登板も、あと9試合に迫る。「もちろん、キャリアハイを目指したい。投げられたらいいかなと思います」。勝ちパターンの投手だけに「僕が投げるということは、それだけチームは勝ってるってこと」とチームの勝利に貢献したい思いを繰り返した。

 昨年が納得できないシーズンだっただけに「残りの試合、全部勝つつもりで、任されたポジションでしっかり頑張りたい。今年はちゃんと駆け抜けたいなと思っています」と意気込む。肩の不安が解消され、本来の輝きを取り戻した6年目の27歳。チームの勝利のために、シーズン最後まで懸命に腕を振り続ける。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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