巨人20歳に漂う“岡本2世”の片鱗 連敗の中で光…専門家も太鼓判「経験積めば長距離打者に」

1番から5番まで固定され実績のある阪神に比べ「寂しいメンバー」
ジャイアンツの未来は、高卒2年目の20歳に懸かっているのかもしれない。巨人は28日、敵地・甲子園球場で行われた阪神戦に1-4で敗れたが、「7番・三塁」でスタメン出場した石塚裕惺(ゆうせい)内野手は、セ・リーグトップの防御率1.84を誇る阪神先発の村上頌樹投手から中前打を放つなど気を吐いた。
今季47試合目、5月26日のソフトバンク戦から橋上秀樹監督代行が指揮を執る巨人は、阪神と首位争いを続けてきた。ただ、直接対決は7勝15敗(残り3試合=成績は29日時点、以下同)と負け越し。29日には優勝マジック23の点灯を許した。今季を含め、阪神には2021年以降6年連続勝ち越しなし(2024年は12勝12敗1分、その他は負け越し)と苦手を克服できずにいる。
現役時代に通算2038安打を放ち、引退後も名コーチとして鳴らした野球評論家・新井宏昌氏は「直接対決となると、両チームの力量の差を感じてしまいます。スタメンを見ても、阪神は1番から5番までほぼ固定(近本光司外野手、中野拓夢内野手、森下翔太外野手、佐藤輝明内野手、大山悠輔内野手)。巨人はいろいろ若手を試しながら起用していますが、いまひとつピンと来ないというのが正直な所です」と見ている。
「巨人は実力者の坂本(勇人内野手)、丸(佳浩外野手)がいずれも打率1割台で代打要員となっていることもあって、実績を積み重ねてきている阪神の主力に比べると、寂しいメンバーだなと感じてしまいます」と指摘するのも、もっともだ。
さらに、巨人の現状については「リーグ2位につけていますが、目玉となる生え抜きのスター候補が少なく、寂しい印象です。先発投手陣を見ても、生え抜きの戸郷(翔征投手)、山崎(伊織投手)が故障し、田中(将大投手)、則本(昂大投手)、小笠原(慎之介投手)といったベテランや他球団出身者を並べている状況。かつての巨人のような圧倒的な戦力を整えるには、時間がかかりそうです」と危惧する。

石塚は花咲徳栄高からドラフト1位で入団し、1年目から1軍を経験
巨人の4番は今季118試合中、109試合で来日1年目のボビー・ダルベック内野手が務めている。来日2年目のトレイ・キャベッジ外野手の5試合がこれに続いており、外国人助っ人頼みといえる。プロ3年目の泉口友汰内野手、2年目の浦田俊輔内野手が台頭し、規定打席をクリアしているが、いずれも今のところ中軸というより、脇役で光るタイプに見える。
そんな中、新井氏が「面白いものを感じます。右打者としてスイングの鋭さ、打ちそうな雰囲気があり、経験を積んでいけば“岡本2世”というような長距離打者に育つ可能性があると思います」と見込んでいるのが、石塚だ。「おそらく、坂本も自分の後継者候補として力量を認めているのではないでしょうか」と続ける。
2024年、ドラフト1位で埼玉・花咲徳栄高から入団した石塚は、プロ1年目の昨季終盤に1軍昇格を果たし、9試合出場で打率.111(9打数1安打)の数字を残した。今季はここまで30試合に出場し、打率.214(84打数18安打)と成長のあとを見せ、昨季1度もなかったスタメン出場も23試合に上っている。
「今のように7番あたりで使われながら経験を積んでいけば、将来レギュラーとして活躍するポテンシャルは十分あると思います」と新井氏は太鼓判を押す。巨人の中軸を担うスラッガーが育っていくのを、じっくり見ていきたいものだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)