阪神27歳、MLB熱望も「簡単じゃない」 足りない“落差”…専門家が指摘した昨季との「違い」

阪神・才木浩人【写真:栗木一考】
阪神・才木浩人【写真:栗木一考】

才木浩人、6回無失点で8勝目…武田一浩氏が状態を解説

 6回無失点で白星も、手放しで評価はできない。阪神は30日、甲子園で巨人と対戦。先発の才木浩人投手は6回5安打5奪三振無失点の好投で8勝目を挙げた。中15日と間隔を空けて調整し、巨人戦はNPB歴代1位に並ぶ11連勝を記録。チームは巨人に3連勝し、ゲーム差を4.5に広げた。

 初回、才木は先頭の浦田俊輔内野手への初球で152キロを計測。150キロを超える直球を続けて投じ、中飛に仕留めるなど上々の立ち上がりを見せた。ただ徐々に球速は落ち始め、3回以降、直球の多くは140キロ台後半。それでもフォークやスライダーなどの変化球を交えてスコアボードにゼロを並べた。

 この試合は6回103球で降板。現役時代に日本ハム、ダイエー(現ソフトバンク)など4球団でNPB通算89勝をマークした右腕で、NHKのMLB中継などで解説を務めている野球評論家・武田一浩氏は「そんなに良くなかった」と厳しく指摘した。

「球数が多いし、フォークはもう一つ切れが良くない感じ。この試合は途中から低くいきだしたけど、去年まで落差はもっとあったと思います。ストレートも、もともと低めに集まるタイプじゃないけど、全体的に良くないですね。いい時の出来ではないという感じがしますね。もう一つなのかなと思います」

 辛口なのは、いいときの才木を知っているからで「去年の方が良かった」と話す。昨年は24試合に先発して12勝6敗。防御率は4年連続1点台となる1.55で最優秀防御率のタイトルを初めて獲得した。10年目の今季はここまで21試合に先発。防御率2.63は悪くはないが、昨年に比べ、打ち込まれるシーンが目につく。

阪神・才木浩人【写真:栗木一考】
阪神・才木浩人【写真:栗木一考】

課題は球速「155キロくらい出てほしい」

 才木はかねてメジャー挑戦の希望を公言。MLBにも詳しい武田氏は「今のままでも、(獲得に)手を挙げる球団はあると思います」と話す一方、「もうちょっとストレートが速くならないと厳しい。もっとスピードが上がらないと、メジャーで活躍するのはそんなに簡単じゃないと思います」と指摘した。

 いまは160キロ近い直球を投げ込む投手が増えている。才木には物足りなさを感じており「去年と比べてストレートのスピードが上がってない。球種もそんなに多くないし、155キロくらい出てほしいなと思います」と球速アップを課題に挙げる。

 もともと、細かい制球力や多彩な変化球で勝負するタイプではない。ロッキーズで今季12勝を挙げている菅野智之投手を引き合いに「菅野は常時150キロは出ないけど、コントロールや投球術がある」と説明。才木のフォークについては「去年に比べて落差が足りていない。スカウトが見れば分かると思います」と解説した。

 阪神の先発ローテーションの中心として回り、球団初のリーグ連覇に向けて投手陣をけん引する27歳右腕。国内ではエース級の実績を積み重ねてきたが、メジャー挑戦を見据えれば、まだ伸ばすべき部分はある。昨年のような圧倒的な投球を取り戻し、さらに球速を上げられるか。MLBを目指す才木にとって、さらなる進化を示す必要がある。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY